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往年の名車で作る本気のドラッグスペシャル
700馬力のフルチューン13Bで9秒台を軽々達成!
「80年代に憧れたマシンをベースに、現代のチューニング技術を盛り込む」というコンセプトで製作されたのが、このやる気に満ち溢れたSA22C型RX-7だ。
ドラッグ仕様として製作されたこのSA22Cは、強大な出力を誇るエンジンが搭載されているのはもちろん、それを受け止めるためのスタビリティアップにも細かいメイキングが光る。
心臓部に収まるのは、シーケンシャルペリフェラルポート加工が施された13B-REW改。このポートチューンは、アイドリング〜低回転域は通常のプライマリーポートで吸気を行ない、レーシング領域ではローターハウジングに新設されたペリフェラルポートで吸気するというシステムだ。
なお、エンジン搭載位置はバルクヘッドを加工することで、後方へと大幅にオフセットさせている。
組み合わせるタービンは、HKS最大級のT51R-SPL。パワーFC+F-CON Vプロによる綿密なマネージメントにより、2ローター仕様ながら700psを発揮させている。
ボディチューンも凄まじいの一言。なんと、キャビン以降のフロアパネルは丸ごとFD3Sを移植しているのだ。目的はフロアトンネルの大型化と、リヤサスペンションの完全移植。容量の小さい4リンク(+ワットリンク)では、超大なパワーを許容できないという判断からの魔改造だ。
フロアトンネルが大型化されたことによって、HKSの6速シーケンシャルドグミッションも難なく収められている。エキゾースト環境は、クローズドサーキット専用と割り切ったフルストレート仕様となる。
リヤにはワンオフのオーバーフェンダーを装備して、315/35R17という極太のフージャーDOTラジアルを組み込む。どことなく、70年代を代表するスーパーカー“デ・トマソ・パンテーラ”を思わせるフォルムだ。
室内は超スパルタン仕様。快適装備を含めて内装パーツは大半が撤去され、溶接留めロールケージで剛性を確保。メインのメーター類は信頼性が高いデフィで統一する。ステアリングに設けられているスイッチはスクランブルブースト用だ。
一線級の戦闘力を存分に発揮できるようアップデートを繰り返したことによって、ゼロヨンでは9秒台を安定して発揮できるまでに成長。まさに、ロータリーロケットである。(OPTION2誌2011年8月号より抜粋)