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2.8L+GT2530Kaiタービン仕様で298.92キロをマーク!
低中速域の加速力に優れた街乗りメインのトルクフルな特性
「BNR34は第二世代GT-Rの中で群を抜いてボディ剛性が高いんですよね。サスペンションチューニングはもちろん、エンジンチューニングでも、ポテンシャルを引き出すのにアドバンテージだと思います」と語るのは、“アウトバーン”代表の川井さん。
車両販売からチューニング&メンテナンスを手掛ける第二世代GT-Rの専門店として、アウトバーンは数多のチューンドRを手掛け、また多くのユーザーニーズに応えている名門ショップだ。
そんな同店が高速周回路に持ち込んだBNR34はストリート仕様のユーザーカー。数年前にエンジンオーバーホールしたというRB26DETTは、HKSの2.8Lキットステップ1を組んで、排気量を2771ccに拡大。タービンは2.6L時から引き続きGT2530Kaiツインを使用している。
「2.8L化とGT2530Kaiの組み合わせは、とにかく街乗りしやすいパッケージです。高速道路を飛ばしても下からブーストが立ち上がって、十分な速さが味わえますよね」と川井さん。厚みの増した低中速トルクが扱いやすさを向上するとともに、強力な加速力を生み出すわけだ。
また、このマシンは制御に純正ECU書き替えで対応していることも特徴だろう。ポン付けタービン仕様であればエアフロ制御で十分に速さを引き出せるため、アウトバーンでは高価なフルコンを導入せず、メインECU書き替えを推奨するケースが大半だという。
エンジンスペックは最大ブースト圧1.6キロ時に最高出力650ps、最大トルク63kgmとなる。「テスト時はブースト圧を2.0キロに上げようかとも思いましたが、燃料ポンプがシングルなので燃圧の問題がでてきますし、なによりオーナーカーですからね。街乗り状態そのままです」と、通常スペックのままとした。
その他のチューニングもアウトバーンらしいコーディネイトだ。排気系は上流から、東名パワードのEXマニ、HPIのタービンアウトレット、ARCのチタンマフラーという構成。ストリート仕様のユーザーカーとして、価格と性能のバランスに優れるパーツがセレクトされている。
ホイール&タイヤはボルクレーシングTE37SLとディレッツァZ2スタースペックの組み合わせだ。ブレーキもフロントにはブレンボ6ポットキャリパーとRdd355mmローターで強化されている。
インテリアとエクステリアはノーマル然としたメイキングとなる。インテリアはブースト計と燃圧計こそ装備しているものの、それ以外は至ってシンプル。63kgmもの大トルクが走りに余裕を生む、街乗り快速仕様らしいインテリアとなっている。
一方のエクステリアは、ボンネットにトップシークレットのカーボンボンネットを装備するのみ。大人のR乗りが好むノーブルな出で立ちでありながら、マフラーやホイールがチューンドとしての存在感を醸し出す。
テスト結果は最高速298.92キロというものだが、エンジン的にはまだまだ余裕があった。問題はギヤ比だ。バンク突入時に6速に変速するが、6速がハイギヤードなためにエンジン回転がドロップしてしまい、車速が伸ばせなかったのである。
「ユーザーカーですから試したいことも試せませんから、ちょっと悔しいですね」と川井さんは言うが、ユーザーカーのリアルな数値が見られたと思えば価値ある結果だろう。むしろ街乗り仕様で出した記録と考えると、RB26DETTの底力に驚異を覚えるほどだ。
●取材協力:アウトバーン 茨城県石岡市柿岡1928 TEL:0299-44-1665
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