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前期モデルベースで速さを求めた老舗の技
コーナリングマシンとしてのポテンシャルを引き出す!
発売当初からコーナリングマシンとして評価が高かったRX-8。その操作性は現在でも一線級、走る楽しさは群を抜くレベルだ。ベースの良さを活かす方向性でセットさえすれば、気持ち良くコーナーを攻められるスペックに仕上げられる。
それを証明するために、ロータリーチューンの老舗“RSパンテーラ”が手がけたチューンドが今回の主役。前期モデルベースのストリートスペックだ。
サスペンションはHKS製をベースに、減衰力やレートを変更したオリジナルセッティング仕様(F11kg/mm R7kg/mm)でセットアップ。アーム類のブッシュは全て純正新品に入れ替えて、しなやかに路面を追従する極上の足に仕上げている。
ブレーキにも手が入る。ローターサイズは純正のままだが、フロントは鋳鉄ローターの素材を見直したオリジナルに変更し、パッドの食い付き性能をアップしていることがトピック。RX-8のブレーキキャリパーは片押しタイプだが、パッド面積もローター径も大きいのでパッド交換だけでも十分戦えるのである。
一方のタイヤは、ゼスティノのハイグリップシリーズ07RRをチョイス。265サイズのため、高速域のコーナリングでも安定したグリップ力を発揮する。このサイズを車両無加工でインストールできるのもRX-8ならではの利点だろう。ホイールはボルクレーシングCE28SL(10J×18+40)だ。
そしてエンジン。前期モデルは消耗が激しく出力ダウンしているケースも多いため、RSパンテーラが得意とする精密オーバーホールメニューを実行してリフレッシュ。同時にインテークおよびエキゾーストポートを最適化することで、純正とは比べ物にならないほどのハイレスポンスを手にしている。
ちなみに、ミッションもフィーリングに悩まされる前期のアイシン製から信頼性が高い後期のマツダ製へとコンバート済みだ。
エクステリアはフロントにJUNの汎用リップ、リヤはボルテックスのウイングなどでダウンフォースを稼ぐ。これは、富士スピードウェイ等の高速コースを楽しむオーナーの走りに合わせた空力セットだ。
さらに、リヤトランクにはドライカーボンのオリジナルを装備。裏側を見れば納得できるほどしっかりと作り込まれている。強力な圧力を受けるリヤウイングステーの補強までもドライカーボン製という拘りようだ。
室内はシンプルなメイキングだが、サスやタイヤの動きを確実に把握するべくシートにはレカロLMSを投入する。
こうして仕上げられたRX-8は、NAながら最新スポーツモデルにも勝るとも劣らぬパフォーマンスを発揮する。それこそ、コーナリング性能は絶品だ。
●取材協力:佐藤商会 静岡県富士宮市北山5220-2 TEL:0544-58-4837
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