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RWBの964としては初期の一台!
足回りのセッティングはコクピット館林が担当
「気軽にコンビニにも行けちゃうなんてスーパーカーらしくない」と、元々は興味の対象外だったポルシェだが、サーキットを走らせてみたらビックリ。以来、ポルシェの沼に落ちてしまったのがこの964のオーナーだ。
最初のポルシェは15年前に知人から譲り受けたサーキット仕様の930。ところが当時はポルシェの扱い方を知らず、国産車感覚でシフトを叩き込んでいたらあっという間にミッションブロー。その修理依頼で訪れた“プロモデット”で、たまたま出会ってしまったのがこの964。「ミッション修理に金をかけるなら乗り替える!」と、完成したばかりのコンプリート仕様を即決で購入することにしたという。
ベースは1992年式の911カレラ2で、圧倒的な迫力のボディワークはRWBによるもの。964ベースとしては初期の作品の一台とのことで、オーバーフェンダーがビス留めではなくスムージングされているのが特徴。FRP製のドアパネル&前後フード&ルーフ、ポリカーボネイト製リヤウインドウの導入によって車重はノーマル比マイナス200kgの1200kgとなる。
パワー系はプロモデットが担当。エンジンはカレラ2オリジナルの3.6L・NAから3.3Lターボにスワップ。シリンダーはクーパーリング加工と合わせて圧縮比を7.5とし、NA用カムを装着。タービンは標準のKKK製K27だが、プロモデットのワンオフマフラーとインタークーラー、トラスト製ウエストゲートとモーテック制御などの組み合わせで420psを獲得している。
サーキット走行時のハードなGでも安定した燃料供給を確保すべく、フロントフード内にはコレクタータンクと2基掛けの燃料ポンプを装備。最大ブーストは1.1キロの設定。
オーリング車高調は購入時からのものだが、オーバーホールに合わせてコクピット館林でリセッティングを実行。スプリングレートを落としたハイパコ製に変更し、ヘルパーを追加することで路面追従性の向上を図っている。
RRレイアウトのポルシェのサスセッティングは、トラクションの高さを最大限に引き出すためのリヤがポイント。サスペンションのリセッティングに合わせてH&R製リヤスタビを導入し、オーバーステア傾向を補正した。
ボルト留めのロールケージにレカロ製フルバケ、ラップモニターなどサーキット走行に合わせてセットアップされたインテリア。オルガン式のペダルも含め、その扱いはシビアに思えるが、エアコンレスの暑さを除けば街乗りも難なくこなせるのがチューンドポルシェの懐の深さだ。
コクピット館林による足回りリメイクの効果は抜群で、日光や筑波1000などショートサーキットではロータスエリーゼのように振り回せるようになったそうだ。
「20年ぶりのサーキットでも存分に走らせることができるのがポルシェの凄さ。ポルシェに乗らずしてスポーツカーは語れないですよ!」とオーナーは熱く語ってくれた。
REPORT:川崎英俊
●取材協力:コクピット館林 群馬県館林市赤生田町2202 TEL:0276-73-5451
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コクピット館林
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