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上質で腰のあるライドフィールは必見!
欧州ハイブランドが手掛ける逸品車高調!
二輪の世界で確固たる信頼を集めるイギリス生まれのサスペンションブランド“ナイトロン”。数年前から4輪の世界にも本腰を入れており、ロータスやBMW、ミニといった車種を中心にラインナップを広げている。
埼玉県春日部市にもファクトリーを構え、日本の道路事情にあわせた製品開発ならびにセッティングも意欲的に行う。仕様変更からオーバーホールまでフレキシブルに対応できるのも強みだ。
そんなナイトロンの新作が、今回紹介するGRヤリス用モデル。ファーストスペックとして、スタンダードなNTR RACE R1 Strut(60万2800円)を送り出してきたのだ。
「ノーマルはかなり硬めの乗り味でデート等には不向きのGRヤリスですが、このサスキットは減衰力を弱めれば純正より快適に、締め込んでいけばサーキットも楽しめる。どんなシチュエーションにでもフレキシブルに対応できるサスペンションを目指しました」と、ナイトロンジャパンの五十嵐さん。
ベーシックモデルとはいえ、ボディやロッドは3ウェイダンパー搭載の最上級モデル、R3と同じ高性能・高品質なものが採用される。ざっとスペックを紹介しておくと、十分な容量を備えたモノチューブダンパーを採用。負荷の大きいフロントは強度面でも有利なスチール製、リヤは軽量なアルミ製とマテリアルを適材適所で使い分ける。
特筆すべきはその精度だ。滑らかなオイルの流動を可能にするピストンや高い耐久性を誇るシームレスチューブ、アルミ削り出しのトップマウントなど、その全てが芸術的な美しさを見せる。クオリティに対し一切の妥協を許さない拘りが、コンペティションな世界における確かな実績に繋がっている。
ブラケットやアダプターからも品質への拘りが感じられる。徹底したクオリティコントロールを行うことで、間違いがないサスペンションを産み出している。
スプリングレートはフロント10kg/mm、リヤ8kg/mm。スプリングは初期からしっかりとレートが立ち上がるリニアな特性だ。
荷重が薄くなりがちなリヤについては、十分な伸びストロークを確保するべくヘルパースプリングも組み込まれた。
サーキットで、ナイトロン仕様のGRヤリスを試乗した青木孝行選手は「スプリングレートはそれほど高くないんだけど、ダンパーがしなやかに作用してロールスピードが上手くコントロールされているから、ストリート向けの足にありがちな腰砕け感は全くないね。路面のアンジュレーションにしっかり追従していくし、縁石に乗り上げても不快な突き上げ感はない。普段乗りの快適性も考えるとこの辺りがベストだと思う。サーキットでも気持ち良く走れるクオリティだよ」と評価。
減衰力は24段階の調整が可能となっており、1クリックの変化幅が大きいのも特徴。今回のサーキットインプレッションでは前後とも10段戻しで走行したが、しっとりとした滑らかな走りに青木孝行選手も舌を巻いた様子。違いが分かる大人ためのサスペンションと言えるだろう。
●問い合わせ:ナイトロン TEL:048-884-9500
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ナイトロン
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