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購入はきっかけは営業マンの一言で・・・
富士スピードウェイ1分50秒台をマークする快速スペック!
「本当はBNR32が欲しかったんです。でも、当時まだ20代で金銭的な余裕がなく、買ったのは4ドアのR32タイプM。8年くらい乗りました」とオーナー。その間にスカイラインはR33、R34とモデルチェンジが行なわれ、ER34 25GT-tに試乗するためディーラーに赴いた。
「ATだったのもあるんでしょうけど、思った以上に遅くて、“これなら今乗ってるタイプMと変わらない”と営業マンに伝えました。すると、“だったら、これしかないですよ”とBNR34を勧められて。それが購入のきっかけになりました。そこからは話も早かったですね」。
ボディ色は無難だからという理由で白をチョイス。購入半年後にはマインズVX-ROMでのECUチューンを行なった。チューニングが本格化したのは2002年。「信号待ちからのスタートダッシュでランエボに負けたことが引き金になりました」とオーナーは笑う。
それがHKSカム(IN/EX256度)を組んだGT2530ツイン仕様。F-CON Vプロでのエアフロレス制御で540psを発揮した。その後、2007年にピストンの棚落ちでエンジンブロー。実はそれ以前から2.8L化の見積もりを取っていたため、前倒しで作業をすることになった。
ニスモGTブロックにHKS 2.8Lキットステップ3を組み、ヘッドにはHKS Vカムステッププロ(IN264度/EX272度)をセット。そこにTO4Zタービンを組み合わせ720ps仕様へとバージョンアップした。
「GT2530で目一杯パワーを出すと約600ps。仕様を変えるからには、それは超えたいと思ってました。でも、ツインターボだとタービン上置きが必須になりますし、サージングの問題も出てくる。なので、シングルターボで行こうと。TO4Zは街乗りでも楽しる仕様でしたね。ただ、FSWを走ると6000rpm以上の伸びとパワー感が物足りなくて。結局、タービンを見直すことにしたんです」。
選ばれたのはT88-34D。トルクの立ち上がりがTO4Zより800rpmほど高回転側に移行したが、最大ブースト圧1.8キロ時に860psを超えるパワーと、8000rpmまで一気に吹け上がるエンジン特性を手に入れた。そのパフォーマンスは高く、FSWではターザン山田のドライブで1分50秒9を記録。最高速テストでも317km/hと堂々の結果を残した。
ラジエターはHPI製エボルブマルチフロー、インタークーラーはHKS製Rタイプで容量アップ。排気系はエキマニ、フロントパイプ共にステンレス製のワンオフ品。HKSメタルキャタライザーを介して装着されるマフラーもワンオフのチタン製となる。
油温管理を徹底するため、エンジンオイルクーラーはフロンバンパー奥の左右に装着。いずれもトラスト製で左が13段、右はブローオルバルブを避けるために10段がセットされる。
トランクルーム内にセットされたコレクタータンク。燃料タンクからの汲み上げにニスモ製ポンプ、燃料供給には2基のRH9製255L/hポンプを使用する。インジェクターはHKS製1000ccを装着。
以前はひと月に1回、今でも年に2~3回はサーキット走行を楽しんでいるオーナー。そのため、センターコンソールにはHKS製サーキットアタックカウンターを装着。メータークラスター右側にはA/Fノックアンプが確認できる。
運転席はレカロSP-GTII、助手席はSR-IIIに交換。サーキット走行に備えてベルト幅3インチの4点式フルハーネス、タカタ製MPH-341も装備される。
前後18インチのニスモLM-GT4(10.5J+15)に275/35サイズのポテンザRE-71RSという組み合わせ。足回りはザックス製車高調にハイパコ製スプリング(FR17.9kg/mm)をセットし、アーム類もイケヤフォーミュラ製が組まれる。ブレーキはAPレーシング製。フロント6ポットキャリパー+355mmローター、リヤ4ポットキャリパー+330mmローターで強化。
「フルチューンですけど、見た目はできるだけノーマル風にというのが拘り。もちろん、イジってしまっているのもありますが、BNR34ほど楽しいクルマは他にないと思いますね」。見た目から、ハードなチューニング内容を想像するのは難しい。しかし、ワンオーナーで進化を続けたマシンの実力は本物だ。
●取材協力:ティーゲット 埼玉県行田市藤原町2丁目6-9 TEL:048-554-1345
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ティーゲット
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