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バブルが生んだ奇跡のスペシャリティクーペを再考する
影響を受けた息子さんもコスモ乗りに!
ユーノスコスモは1990年4月に登場。4.8mを超える全長と1.8mに迫る全幅が与えられたボディは、ロングノーズ&ショートデッキで優雅の一言。エンジンは2ローターの13B-REWと、量産車初にしてマツダ史上唯一となる3ローターの20B-REWが用意され、いずれもシーケンシャルツインターボが組み合わされた。
そんなユーノスコスモ20BタイプS(JCESE)のオーナーが“ゆきみや”さん。1991年式の前期型を新車で購入して以来、30年以上乗り続けているという生粋のロータリストだ。
「チューニングを始めたのが1995年。当時、神戸に住んでいたので大阪のフジタエンジニアリングにお願いしました。プロントパイプ以降の排気系を交換してブーストアップ。足回りにはフジタ仕様のビルシュタインを入れてもらいました」。
程なくして、『湾岸ミッドナイト』に触発されたゆきみやさんはストリートへと繰り出すようになる。400ps超の20Bで、最高速はメーター読み260km/hまで確認したという。
ステアリングコラム上のオオモリ製ブースト計や、センターコンソールに装着されたHKS EVCIIがチューニングした当時を思い起こさせるダッシュボード。ブースト圧はLowモード0.6キロ、Highモード0.9キロに設定される。
メインメーターはフジタエンジニアリング製に交換され、スピードメーターは260km/hフルスケールを刻む。もちろんデッドストック品だ。
前後ストラットタワーバーに加え、MSGアクティブ製Bピラーバーとシートレールバーを装着。モノコック側の加工が不要なボルトオンパーツで、ボディ剛性アップに貢献する。
フロントアンダーカバーはJUNの汎用品を装着。センター部の凹みがダウンフォースを生み出し、高速巡航時の安定性を格段に高める。「特に効果をはっきりと体感できるのが雨の日。接地感が抜群で全く不安を感じません」とゆきみやさん。
エクステリアは、かつてRE雨宮から発売されていたフルキットを組んで現在のスタイルが完成。また、二度のエンジンブローにも見舞われたが、それを乗り越えて復活を遂げてきた。
「これまでクルマに費やしてきた金額を考えると、今さら“降りる”という選択肢はありません。一生モノとして、コスモか自分のどちらかがくたばるまで乗り続けようと腹を括ってます」。
以前乗っていたサバンナRX-7(SA22C)前期型から数えるとロータリー歴35年。さらに、家族での移動用にRX-8(SE3P)を所有し、息子さんもユーノスコスモ13BタイプSX(JC3S)に乗る。ゆきみやさんのロータリー愛に思わず敬服だ。