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ブーストアップ仕様の極限値
230キロまではスムーズ、そこから先が長かった!
以前は筑波サーキットメインで走っていたというブーストアップ仕様のランエボVIII(8)。ライトチューン仕様だが、速さはかなりのもので、袖ヶ浦フォレストでは、最終コーナーをポルシェ911 GT3と同時に立ち上がってホームストレートエンドで前に出たこともあるそうだ。
また、OPTION誌の最高速テストでも254.7km/h(GPS型計測機)をマークし、他の参加者を驚かせた。
エンジンルームで変わっているのはエアクリーナー程度。ブーストアップであれば容量的に十分ということで、インタークーラーは純正のままだ。また、F-CON Vプロで燃調と点火時期のセッティングを突き詰め、エアフロレス化を行っているのがポイント。ブースト圧1.4キロ時に最高出力340psを発揮する。
エキゾーストマフラーは、メインパイプ径90φのワンオフチタンに交換。75φフロントパイプと併せて排気抵抗の大幅な低減を実現している。その他、マルシェのすじがねくんやロワアームバー、ドゥーラックフロアサポートバーやトランクエンドバーなどでボディも補強。
足回りはスーパーオーリンズ(F12kg/mm R10kg/mm)を軸に構築。ブレーキはパッドのみウィンマックス製に交換して、フロントは純正同サイズのエンドレス製2ピースローターもセット。ファイナルは4.583だ。
ホイール&タイヤに関しては、普段はアドバンレーシングRS+245幅のアドバンネオバを使っているが、撮影時はラリーアート製ホイール+235幅のSドライブの組み合わせだった。ちなみに最高速250キロオーバーした時のセットがこれだ。
室内はストリート然とした仕上がり。ステアリングはKEY’S RACINGのレザーだ。Aピラーに装着されるのはデフィ水温&油温計。ブースト圧はセンターコンソールに装着されたHKS EVCⅣで制御され、ブースト計としても機能している。
改めて最高速アタック時のロガーデータを検証すると、230km/hまではコンスタントに3秒台前半を刻んでいるのに対して、230~240km/hが6.2秒、240~250km/hが10.2秒と伸びが鈍っている。つまり、ライトチューンのCT9Aでは“230km/hがひとつの壁”というわけだ。
とはいえ、手軽なブーストアップ仕様でも250km/hオーバーを狙えるランエボの底力はやはり一線級。ステージを選ばない速さは、まさに生粋のオールラウンダーだ。