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卓越したバランス感覚
トミタ夢工房が手掛けた魅惑のコンプリート仕様!
10年という長いモデルライフを誇った初代K10型に代わり、2代目マーチK11型が登場したのは1992年1月のこと。
日本国内だけでなく欧州市場での本格的な展開も見据えたK11は、バブル期に設計された時代的背景もあって、快適性を含めた走りの性能や各部のクオリティが格段に向上。コンパクトカーのベンチマーク的な存在として受け入れられた。
エンジンは新開発のCG型。1.0LのCG10DE(58→60ps/8.1→8.6kgm)と1.3LのCG13DE(79ps/10.6kgm)が用意され、1999年11月以降の後期型では1.3LエンジンがCGA3DE(85ps/12.2kgm)に切り替わった。ミッションは5速MT、4速AT、CVTの3種類だ。
そんなK11にトミタ夢工場が手を加え、1993年に発売されたのがトミーカイラm13だ。外装モディファイを中心としたステージIと、エンジンまで手を入れたステージIIが用意され、取材したのは後者。
ヘッド面研による圧縮比アップが行なわれ、ポート研磨やハイカム装着、吸排気効率の向上が図られた結果、パワーはノーマル比17psアップの96psまで引き上げられる。レスポンスにも優れ、キッチリ8000rpmまで使える高回転志向の特性が楽しい。
ノーマルとの違いは、吸気効率を高めるためにデュアルインテーク構造とされたエアクリーナーボックス。写真では判別できないが、エアクリーナーボックスのフタには“TommyKaira m13”の小さなステッカーも貼られる。
また、足回りは専用スプリング&ダンパーが組まれ、ノーマルに対して車高50mmダウン。それでもストローク感は十分で、不快な突き上げなどはなく、適度なロールを伴いながらコーナーを抜けていく。
ロゴマークが入った本革巻きステアリングホイールやアルミ製シフトノブはトミーカイラm13専用品。オートメーター製タコメーターは後付けされたものだ。スピードメーターは220km/hフルスケールとされる。
前後バンパーやリヤゲートスポイラー、レーシングストライプが外装における特徴。より迫力を増すブリスターフェンダーキットなども用意されていた。
標準装着されるホイールはスーパーR.A.P.の14インチ。センターキャップはm13のロゴが入った専用品となる。
1987年に日本初の公認チューンドコンプリートカー、トミーカイラM30(ベースはHR31)を販売したトミタ夢工場。クルマ全体のバランスを崩すことなく、トータル性能の底上げを図るのはお手の物というわけだ。