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その走行性能は本物のツーリングカーを上回る!?
心臓部はハイコンプB18C+FCRキャブ仕様
80年代後半に全日本ツーリングカー選手権で活躍した、“無限 MOTUL シビックSi”をモチーフにした激シブのワンダーシビック。一般整備の他、旧車のカスタムも数多く手がける整備工場を営むオーナーがお遊びグルマとして製作したサーキット仕様だ。
心臓部に収まるのは、インテグラタイプRに搭載されているB18Cユニット。米ハスポート社製のスワップキットを使用して換装しているが、そのままではエンジン搭載位置が異様に高くなってしまったため、マウントを加工してローマウント化していたりする。
一方の駆動系は、EF用ドライブシャフトやDA6用ハーフシャフトを組み合わせながら流用している。
キャブレターはスライドバルブ式のFCR40φをチョイス。エンジン本体にも手を入れ、腰下にはEK9用ピストンを組み込んでハイコンプ化し、ヘッドもポート研磨や燃焼室加工を実施。NAメカチューンらしい鋭い吹け上がりを実現しているのだ。
エキゾースト環境は、サーキット仕様と割り切ってワンオフ60φフルチタンを腹下で解放。バイク用のサイレンサーを差し込むことで、サーキットの音量規制に対応できるレベルの排気騒音としている。
そして足回り。ワンダーシビックのフロントサスは、ストラット+トーションバーというコイルスプリングを持たない形状なのだが、そのままでは高い旋回性能を確保できない。そのため、このマシンは前後ともコイルオーバーの車高調を採用して、セッティングの幅を引き上げている。
ホイールは無限の鍛造モデル“MR-5”をインストール。今ではなかなかお目にかかれない超レア品だ。
室内はアンダーコートなども取り払ったスパルタン仕様。ボディに大がかりな補強は施されていないが、ワンオフの11点式ロールケージでワンダーシビックの弱点と言われるボディ剛性を補う。さらに車両後方には安全タンクも設置。
サーキット仕様にはネガ要素でしかないサンルーフだが、アイデンティティとしてそのまま残されている。日章旗が往年の環状仕様を思い起こさせる。
ホームコースのオートポリスを2分14秒でラップする実力もさることながら、80年代のストリートチューンドを彷彿とさせるワンダーが現行スポーツモデルと真っ向勝負する姿は、胸に迫るものがある。今後も、この路線で元気に走り続けてもらいたいものだ。