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本来、ND型ロードスターはこうあるべきだった!?
純正プラス70馬力のパワーで軽快感を大幅アップ
現行スポーツモデルとして、その軽快な乗り味が高い評価を受けているNDロードスター。しかし、エンジンのパワー不足を指摘する声が多いのも事実。そこで立ち上がったのが、千葉県の“カーメイキングレヴュー”だ。
キット設定の無い車種の過給機チューニングを得意としている同社は、独自にND5RC&NDERC用のボルトオンGTスーパーチャージャーシステムを開発。1.5L仕様で203ps&27.3kgm、2.0L仕様で233ps&33.7kgmを実測で狙える、車検対応のドーピングキットを苦心の末に作り上げたのである。
キットの核を担うのは、増幅装置にトルク感応式トラクションドライブを採用したHKS謹製のGT2スーパーチャージャーだ。目標出力に応じて数種類のサイズが用意されているが、レヴューが選んだのは2.0Lクラスに最適なGTS7040L。腰下の強度を懸念してリストリクターで47φまでコンプレッサー入口を絞ってパワーを制限している。
重要なエンジンマネージメントは、1.5Lも2.0LもECU-TEKが担う。スーパーチャージャー化に伴って必要になるプラスαの要素は、バッテリーの小型化(19サイズ)とプラグの熱価を上げることくらい。燃料系はポンプもインジェクターもノーマルのままで対応できるようにセットアップされている。
ちなみに、このキットは基本的に前期型用として開発されたものだが、後期型オーナー達からキット化を望む声が多く寄せられたため、2021年夏にアップデートを敢行。後期型にも対応できるようキットを進化させたのだ。
なお、ロードスターはマイナーチェンジで出力アップしているが、インジェクター容量はなぜか前期型よりも小さくなっていたりする。そこで、レヴューでは過給機用の追加インジェクターをインテークに追加し、サブコンでコントロールする追加システムで対応。その理由については「メインインジェクターの大容量化も試しましたが安定せず。それから色々な方法にトライして、このシステムに辿り着きました」と、レヴュー前塚代表。
インタークーラーは既製品でちょうど良いサイズが無かったため、こちらもコアから吟味してオリジナル製作。純正バンパーにジャストフィットするサイズだ。
増大したパワーに合わせて足回りも強化。サスペンションには、ストリートからサーキットまで幅広く対応するオリジナル車高調(F8kg/mm R6kg/mm)をセットし、アーム類はリニアに足を動かすことを目的にフルピロ化済みだ。ホイールはグラムライツの57トランセンド(8.5J×17)を通しで装着する。
室内には、トラストのシリウス(60φメーター)が取り付けられているくらいでノーマル然とした印象だ。軽量化も一切行なっておらず、車重はスーパーチャージャー分をプラスしてちょうど1000キロくらいだろうとのこと。
気になるキット価格は、1.5L用が76万7800円/2.0L:87万7800円。レヴューで取り付けまで依頼すると、ROMチューンや工賃まで含めて前期型で1.5Lモデル:約121万円/2.0Lモデル:約132万円。後期型で1.5Lモデル:約132万円/2.0Lモデル:約143万円という予算感だ。
実際にこのチューンド(1.5L)を峠で試乗したレーシングドライバーの佐藤公哉選手は「乗っていて本当に楽しい! 最初からこうだったら良いのに(笑) お気に入りの1台になりました」と絶賛。ND型ロードスターを覚醒させるスーパーチャージャーシステム、パワー志向にオーナーには要チェックと言えるだろう。
●取材協力:カーメイキングレヴュー 千葉県袖ヶ浦市長浦580-74 TEL:0438-60-3133
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