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純正ライクなスタイルにファインチューンの400馬力エンジン搭載
足元には当時物のインパルRSが輝く!
平成元年7月に国産車初の280psカーとして登場したZ32型フェアレディZ。アメリカを強く意識したロー&ワイドでラグジュアリーなスタイルに、ツインターボモデルは3.0LのVG30DETTエンジンを搭載し、280ps/6400prm、39.6kgm/3600rpmというパフォーマンスを発揮。平成初期に起こった、パワーウォーズの先駆けとして華々しくデビューを飾った。
また、ハイパワーなエンジンに加え、空気抵抗の少ないボディは、最高速ランナーからも愛された。そんなZ32に魅了され、今もZ32で走り続けているのがレヴォルフェS.A.の創業者である溝田さん。その愛車の実力は、600ps仕様で軽く200マイルを超えるという。
そして今回紹介するZ32オーナーの三笘さんは、現役で走り続ける溝田さんに憧れ、レヴォルフェS.A.の門を叩いた一人だ。
「雑誌でずっとレヴォルフェS.A.のZ32を見ていましたし、Z32に乗り続けている人に面倒を見てもらいたいなと思って相談するようになりました」。
三笘さんにとってZ32は人生最初のクルマ。小さい頃からクルマが好きで、フェアレディZのスタイルに惚れ込んだ。平成2年、18歳の時に485万円を5年ローンで購入。それから30年以上乗り続けている筋金入りのオーナーだ。
純正のスタイルを色濃く残したボディを見るだけでも、いかに大切に扱ってきたが伝わってくる。内外装ともホイール以外、ほぼストックの状態を維持している。
ホイールは、「このスタイリングが好きだから、ずっと17インチなんです」というピカピカのインパルRS。一度バラバラにしてからボルト1本1本磨き直し、“RS”のステッカーも作り直したというほど思い入れのあるアイテムだという。当時物のホイールに合わせるタイヤは、最新のミシュラン・パイロットスポーツだ。
外装の美しさはもちろん、内装を見てもダッシュボードの浮きなどもなく、とても30年前のクルマとは思えないコンディションをキープ。なお、メーターを覗き込むと走行距離はまだ4万km台という超極上車だった。
エンジンは一度組み直しているそうで、バランス取りやポート研磨、バルブすり合わせなどを実施。その際に0.5mmオーバーサイズピストンも組み込んでいる。当時設定のあったZ32用ニスモタービンに変更して、約400psという仕様だ。
マフラーはフジツボ製で、その他セントラル20のスポーツキャタライザーも装着。インタークーラーは、トラストの純正置き換えタイプに変更済みだ。
現在は、パワーアップよりもメンテナンスが中心で、車検のタイミングでパート別にレストアを進めているそうだ。すでにブッシュ交換やショックのオーバーホール、水漏れやオイル漏れなどの修理、燃料系のリフレッシュは完了。今後はパワーに負けないブレーキシステムの構築と、その後はエンジンを本格的にセットアップしていきたいと語ってくれた。
ちなみにこの車両、持ち込まれた時にガソリンが漏れていたそうで「フューエルレギュレーターを交換していない人は要注意ですね」と溝田さん。この位置からガソリンが漏れると、エンジンに引火して車両火災の危険もあるので、早めに交換するべき。その他、Z32に関しては、パワトラの故障などにも注意したいとのこと。
決して激しいチューニングカーではないが、オーナーの愛情が伝わってくる三笘さんのZ32。今後も末永く走り続けてほしいものだ。
●取材協力:レヴォルフェ・エス・アー 神奈川県横浜市都筑区池辺町3960 TEL:045-929-6087