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心臓部は拘りのTD05ツインターボ+NOS仕様
歯ごたえ満点の仕上がり! 超絶硬派なストリートファイター
ベンチレーター付きのアクリル製サイドウインドウやGTウイングなど、一見タイムアタック仕様のようにも思えるが、オーナーは「フィールドはあくまでストリートです!」と、目を輝かせる。
心臓部のRB26DETTは、型番“05U”の中でもシリンダーの肉厚が多く取られていたというBNR32の製造番号500番台以前、初期型ブロックを使用。こういう話が出てくるだけでも、オーナーが相当なGT-Rマニアだということが分かる。
腰下のムービングパーツを強化した上で、タービンにはウエストゲート式のTD05-18Gをツインで装備。最大ブースト圧は1.5キロ、1万1000rpmまで回しているというから恐れ入る。制御は東名パワードのレイテック。エンジントルクダンパーはハンドリングの安定に有効なアイテムだ。
さらにドーピングアイテムとしてNOSも追加。燃料と亜酸化窒素をインマニに同時噴射するウエットショット式で、室内のスイッチでオン/オフ操作が行われる。サージタンクはトラストの大容量タイプでシングルスロットル化。インジェクターはサード850cc多孔式としている。
コレクターも備えたレーシーなトランク内。燃料タンクは純正から安全タンクへと変更されているが、軽量化を目的に12L容量を選択したため携行缶が欠かせないとか。燃料ラインとは異なるポンプのような物体は、SW20の電動パワステモーターだ。そう、このBNR32はパワステを油圧から電動に変更しているのだ。全ての配管がメッシュホースではなく全てアルミのプロライナーで製作している点も注目だ。
ダッシュボードが撤去され、フレームが剥き出しになったコクピット。リヤの挙動をよりクイックにコントロールするために油圧式サイドブレーキを組んでいるのも特徴的だ。街乗りができるように、旧車向けの汎用クーラーを備えている。よく見るとBNR34のマルチファンクションディスプレイも移植されていたりする…。これら全てはDIY、プライベートで製作したというから驚くばかり。
右から電動パワステ、電動ファン、燃料ポンプ、スターター、イグニッションと並んだスイッチ類。オーナーは産業機械の整備関係が本業で、自動車用の油圧や電気回路などの解析&モディファイは朝飯前なのだ。
ウインドウはガラスからアクリルへと変更され、GTカーさならがらのベンチレーターも設置。実はこれもオーナーの自作なのだとか。
ホイールは18インチのボルクレーシングTE37SLで、タイヤにはフェデラルSS595RS(245/35-18)を組んでいる。
理想を求めて我が道を突き進む独創のチューンドBNR32。かつてのストリート全盛期の“熱さ”を思い起こさせてくれるようなメイキングの数々は、見事としか言いようがない。(OPTION CARAVANより抜粋)