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最速のスイスポTRB-04を超えろ!
筑波サーキット55秒台の険しい道に挑む!
言わずと知れた千葉県の老舗チューニングショップ“J&K”。代表の神保さんはこの道40年のレジェンドチューナーだが、近年はHKSに修業に出ていた息子の翔さんが看板を背負いながら、緩やかに2代目体制へと移行している最中だ。
そんな若き2代目がスタートさせた独自プロジェクトが、アバルトタイムアタック仕様の製作。その志は高く、目標として掲げるのは“筑波FF最速”。つまり、HKSが手掛けたZC33S型スイフトスポーツ“TRB-04”の記録(K14C搭載時:57秒480/4G63搭載時:55秒498)を塗り替えるというものだ。
「無謀なチャンレンジであることは分かっているんですけど、自分に喝を入れるためにも目標は高く、ハッキリとさせなくては(笑) 頂点を目指すためにはどんなパーツが必要か、どの程度のシャシー作りが適切か…等々、色々と考えなくてはいけませんね」とは翔さん。
エンジンから見ていく。排気量をノーマル(1368cc)のまま、鍛造ピストンとI断面コンロッドを組み込んで腰下を強化。タービンは純正改のハイフロータイプでシェイクダウンし、その後ギャレットのGBC17-250にステップアップして250ps+αを最初の着地点とする予定。ここまではJ&Kでも製作実績のあるメニューだが、筑波サーキットでFF最速を目指すにはHKSのGT3-RSタービン辺りが必要になる可能性もあるとのこと。もちろん、究極的には得意のツインチャージド化も視野に入れていることは言うまでもない。
エンジンマネージメントはECUマスターという海外製のフルコンを採用。なお、ノイズの原因になりやすい点火系の配線は、他の信号線と極力交わらないように配慮するなど、細部にまで気を配りながらメイキングを進めているそうだ。
シートポジションはかなり後方&センター側にオフセットされ、それに合わせてステアリングシャフトは延長、ブレーキペダルもチルトンのオルガン式に変更される。
タイヤハウス後端はザックリとカットされているが、これはフェンダー内の圧力を後方に抜き取るためのトンネルとのこと。足回りの基本形状は変更なしだが、サスアームが当たりやすいポイントには逃げを作って対策済みだ。
各部に若きチューナーのアイディアが盛り込まれた魔改造アバルト。マシンの完成にはまだしばらく時間がかかると思われるが、FF最強スペックの誕生を楽しみに待とうではないか。
●取材協力:J&K 千葉県山武郡九十九里町真亀629 TEL:0475-76-2714
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