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デビューから30年を経るも色褪せない魅力!
熟成されたサイドポートと進化したタービンでスキのない13Bを構築
軽量FRとロータリーのパッケージングで無類のコーナリングマシンと評価され、発売当時には“GT-Rキラー”と囁かれた速さは、現行スポーツモデルと比べてもまるで引けを取らないFD3S型RX-7。
最近でこそ90年代スポーツカーの中古車相場高騰を受けて、保存モードに入るオーナーも多くなってきてはいるが、グリップ性能が格段に高まったタイヤ、レスポンスとパワーを高次元で両立するタービンといった最新設計のアイテムを与えることで、サーキットでも一線級の速さが引き出すことが可能だ。
グリップ性能の進化は別として、コーナリングマシンとしてのFD3Sに磨きをかけるフットワークやLSDセッティングは早い段階で完熟状態へと導かれてきた。しかし、13B-REWのパワーチューンに関しては今も探求が続いていて、アップデートが重ねられている。
「スペックV(ファイブ)と呼んでいるサイドポート加工は20年前に誕生していますけど、タービンが日々進化しているのでデモカーは今でも頻繁に仕様変更してマッチングチェックしています。ですが、風量を稼いできた最新タービンはレシプロならレスポンスと風量を両立できるものの、ロータリーにはイマイチ。設計は一世代前となりますが、HKSのGTIII-4RやギャレットGTX3582R GEN2がレスポンスとパワーを兼ね備えた仕上がりとなりますね」と語るのは、名門“フジタエンジニアリング”の藤田代表。
ピックアップ良さと高回転域の頼もしさを両立しながら優れた耐久性も誇る、スペックVのサイドポート拡大加工。インテーク側だけでなくエキゾースト側にも手を入れ、タービン性能を余さず引き出していく。20年前に誕生した熟成仕様だが、さらなる進化を狙うため改良バージョンをデモカーで現在テスト中だ。
取材車両のタービンはパワー重視のオーナーリクエストから、製作時に最新モデルだったGTX3584RSをマッチング。ブースト1.2キロの500ps仕様に仕上げられている。
なお、ブーストアップからのステップアップとしてフジタエンジニアリングが勧めているのはHKSのGTIII-4Rシングル。ブースト圧が掛かり始めるハーフ領域からのトルク感やパワーとレスポンスのバランスが良い上、コンプリートキットの設定があるためリーズナブルに仕上げられるというのが理由だ。
タービンと共にECUも進化しているが、フジタエンジニアリングではブーストアップからタービン交換までオールマイティに使えてリーズナブルなパワーFC主体でセットアップしている。LINKやF-CON Vプロを使うこともあるが、それらはコンマ1秒を削るようなアタック仕様向け。峠などの標高変化も考えると、ストリートユースは少々制御がファジーなパワーFCが好マッチングという考えだ。
空力面のアップデートも熟成されていて、アフラックス・フロントカウルVer.2タイプRとGT3専用アンダーボードでフロントダウンフォースを徹底強化。片側45mmワイド化されたフロントフェンダーとフロントカウルのマッチングを精悍に整えるフロントエクステンションの仕上がりも秀逸だ。
フロント片側45mm、リヤ片側65mmワイドを実現するアフラックスGT3エアロキットは、12J&315サイズのインストールが可能だ。コーナリングマシンとしての限界を引き上げるだけでなく、圧巻の足元でも魅了する。取材車両はホイールにアドバンレーシングGTビヨンドを、タイヤはアドバンA052をそれぞれセレクト。
ボディカラーは“魔王号(ホットバージョン“峠最強伝説”企画で、No.1のチューニングカーに与えられる称号)”のガンメタカラーに憧れて、GT3エアロキット装着時にホワイトからオールペン。渋めのボディカラーにレッドの差し色をさりげなく添えるべく、シートベルトの巻き替えも行っている。
HKSのハイパーマックスをベースに仕上げられるオリジナルダンパーキットは、前後18kg/mm仕様でストリートからサーキットまで幅広いステージへ対応。装着タイヤや仕様に応じてレート変更する場合は、初期ストロークがスムーズなサスペンションプラスを使用している。
「シングルタービン=低速トルクがない」といったイメージは過去のもの。高効率化されたタービンをマッチングしてやれば、パワーだけでなく低中速トルクもしっかり引き出せる。また、燃費がとにかく悪いとされるチューンドロータリーでもストリートで6〜7km/L台と、ブーストアップ以上の低燃費へ仕上げられる。
FD3Sの進化は令和になってもまだまだ終わらない、というわけだ。
PHOTO:南井浩孝/REPORT:村田純也
●取材協力:フジタエンジニアリング 大阪府堺市東区八下町1丁82-1 TEL:072-258-1313
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