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全身から溢れ出すリアル“ナニワトモアレ”感
ZC改ソレックス44φキャブ+無限EXマニで官能的サウンドを奏でる!
「バリバリの現役だった頃のワンダーを再現することがテーマです」。マシンメイクを担当した“カークラフトブーン”の古川代表が語る通り、ヤンチャなオーラがビシバシ伝わってくるワンダーシビックだ。
日章旗カラーのヘッドが目を引くZCエンジンは、EF前期ZC用のHKSハイカム(IN/EX256度)や吸排気チューンによって、パンチの効いた加速と甲高いエキゾーストサウンドを放つ。
吸気系にはソレックスの44φキャブレターを、排気には4-2-1レイアウトの無限EXマニをそれぞれ搭載。このEXマニは当時モノで、ワンダー乗りなら垂涎モノのお宝パーツだ。駆動系には戸田レーシングの軽量フライホイールを組み込みつつローギヤード化を図り、鋭い吹け上がりを実現している。
走りに必要ない要素は全て撤去、運転席とインパネだけが残されたスパルタンなインテリア。ボディに大がかりな補強は施されていないが、無限の6点式ロールケージはバーを短くカットして、GTマシンのようにローマウント化している。低重心化と周囲へのアピール度を高めるためのリメイクだ。
ホイールは通称“クラゲ”の愛称で親しまれた往年のウェッズスポーツレーシング(FR6.5J×14)、タイヤにはディレッツァ03G(F195/60 R185/60)をセットする。また、リヤサスはクイントインテグラ用を丸ごと移植。当時、手っ取り早くリヤブレーキをドラムからディスクに変更するために流行った、定番流用チューンだ。
エクステリアでは、大型のリヤスポイラーが存在感を主張する。これは、カークラフトブーンオリジナルの“悪ッ羽”という製品で、当時仕様を再現した大阪環状スタイルのマストアイテムとのこと。
作り手の強い意思を感じるワンダーシビック。様々な理由から車体寸法が肥大化していった平成の自動車たちと比べると、あまりに小さく、まるで贅肉を削ぎ落としたアスリートの様だ。だからこそ、真のクルマ好きは惹かれるのだろう。
●取材協力:カークラフトブーン 大阪府高石市西取石8-12-15
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