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走りを予感させるトラディッショナルなレーシングシルエット!
BNR32に伝統のワークススタイルエッセンスを注ぎ込む
今、改めて旬を迎えているのがRB26搭載の第二世代GT-R。チューニングベースとしてその価値が高まることで、新たに車両を入手して最新技術でチューンドを作りたいというオーナーも確実に増えている。しかし、改めてパーツを吟味していくと、ことエクステリアに関しては、ノーマル至上の旧態依然としたものばかりということに気づく。
もちろん、純正こそ最善と考えるエンスージアストなら、純正パーツを揃えてリフレッシュすれば良いが、それは我々チューニング好きの求める感覚とは異なるだろう。この超ワイド仕様のBNR32が生み出されたのは、そうした第二世代GT-Rにまとわりつく、エクステリアチューンの固定概念を崩したかったからに他ならない。
造形にあたって意識したのは、スカイライン(GT-R)にとっての伝説であるハコスカのワークススタイル。瞬時にイメージが沸き起こってきたこともあり、その デザインをストリート用エアロとして落とし込む作業は、意外なほどスムーズに運んだという。前後バンパーはあえてノーマルを活かし、リップでオーバーフェンダーとのラインをまとめ、GT-Rらしさを強調する。
単純にワークスフェンダーを装着しただけでなく、サイドステップなど前後を繋ぐラインも計算してデザインされている。車幅は片側で約100mmワイド。組み合わせるホイールは超深リムのワークマイスターM1で、サイズは前後10.5J×18でオフセットはフロントがマイナス21、リヤがマイナス66となる。
リヤのトランク後方にはダックテールウイングを装着した上で、後方にGTウイングをマウント。そのスタイルは現在のレースカーから落とし込まれたものだがヒストリックな印象のワークスチューンとのバランスも良い。
今回の主題ではないが、心臓部のRB26DETTエンジンにもキッチリ手が入り、T78-33Dシングルタービンによって600psまでパワーを引き上げている。
日本のヒストリックレーシングの象徴でもある伝統的なワークススタイルを今時の空気感で解釈し、スマートに実車に落とし込んだ改作。見事としか言いようがない。