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三浦オリジナルのプログラムでキャブをデジタル化!
見た目はキャブのまま安定した性能を実現
今や日本が世界に誇るエアロデザイナーとしてその名を轟かす、TRA京都の「三浦 慶」。ビス留めオーバーフェンダーを現代風にアレンジして作り上げる同氏の作品群は、どれもそのエアロキットが標準ボディであるかのような強烈なインパクトを放つ。そんな男が現在製作を進めている遊びグルマが、このB110サニーだ。
見どころはエクステリア…ではなく、スロットルの電動化だ。それも、OERキャブレターは残したまま、スロットルバルブの開閉制御のみを電子制御化するというマニアックなもの。
その理由を聞くと、「このサニーはある程度チューニングしてあるんやけど、そのままだとトルクも無くて発進もまともにできん。アイドリングも不安定やしね。でも、エアコンは付けたいしキャブも残したい! そんで、燃料噴射はキャブのまま一部を電子化すれば解決するかも?と思って試しに作った感じ!」との答え。
軸なるスロットルの電子制御は、一般的に販売されている学習向け汎用マイコンボード『アルディノ』を使い、プログラムは三浦さんのオリジナル。マイコンボード自体は3000~5000円で購入できるものだ。
スロットルを開閉させるリンケージ(シャフト)に注目。本来はアクセルワイヤーと物理的に繋がっているのだが、この車両は“バイワイヤ”のためワイヤーは存在しない。リンケージはそのままバルクヘッドを貫通し、その先に設置されている制御用ステッピングモーターと繋がっているのだ。
合わせて、アクセルペダルは電子制御スロットルが採用されているサニー純正(恐らくB15?)に変更。このペダルセンサーを利用して『アルディノ』経由でアクチュエーターを駆動=スロットルを開閉させるという寸法だ。いわゆる、一般的な“スロットルバイワイヤ”方式である。
運転席のメーター下に設置されたデジタル表示のデバイスが、スロットルの電子制御を行なうコントローラー。“Idle”の横の数値が回転数、“Angle”の横の数値がスロットル開度を示している。その他、水温などの表示項目もある。また、“pandem”やURL表示など、遊びというわりには製品化できそうなほど芸が細かい。
快適仕様ということでクーラーも完備。通常サニーの場合は4気筒で排気量も小さいので、アイドリングが安定しない。スロットルを電子制御化することで、アイドルアップの調整が簡単になるというメリットがある。
「プログラミングは小学生の頃から組んでたし、ゲームを作るのに比べたらスロットル制御なんて簡単。今回のキャブレター電スロ化は製品化の予定もないんで、興味がある人はこの記事をヒントに自作で頑張ってください(笑)」とはTRA京都の三浦さん。
考えれば考えるほど不思議なチューニングだが、根底にあるのは「ネガ要素が一切ないキャブ仕様を作りたい!」という三浦さんの強い情熱に他ならない。まさに温故知新のレストモッドである。
●取材協力:TRA京都 京都府久世郡久御山町佐山新開地95-2 TEL:0774-43-3242
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