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脱定番チューニングでCD6型アコードを鍛え上げる
リヤマウント式ターボは理詰めではない、浪漫だ!
布村さんがCD6型アコードを最初に買ったのは22~23歳の頃。ボルトオンターボで武装したCE1型アコードワゴンのATが音を上げてしまい、MT換装を考えていたところ「だったら5速MT仕様のセダンを買った方が絶対に良い」という周囲からのアドバイスで増車したのが始まりだ。
チューニングはNOSによるドーピングからスタート。その後、当たり前のようにボルトオンターボへと発展していくわけだが、「ターボ化を考えていた時に、アメリカのチューニング雑誌でリヤマウント式ターボ仕様の存在を知って。本当に衝撃的でしたね。で、アコードでやってみようと思ったわけです」と布村さん。
リヤマウント式ターボのメカニズムは非常にシンプル。タービン本体をリヤバンパー内部に設置し、エンジンからエキゾーストハウジングに繋がるEXマニと、コンプレッサーハウジングからインタークーラーに繋がるパイピングをそれぞれ6メートル近く延長している。
元々はビッグタービンがエンジンルームに収まらない車種で生まれたドラッグ向けチューニングなのだが、実にアメリカ的な手法である。
当然ながら圧力損失は大きく、タービン側とエンジン側のブースト差も凄まじくてセッティングが地獄と、デメリットはそれなりにあるわけだが「ウケ狙いじゃないですけど、馬鹿だね~って言われると嬉しくなっちゃうんですよ。誰かが真似したら、フロントにターボを移設しようと思っているんですけどね」とのこと。
こうして完成したリヤマウントターボ仕様のアコードだったが、当時、主戦場としていたドラッグレースでは1000ps級の第二世代GT-Rと同じクラスに入れられてしまい、歯が立たず。このステージは言うに及ばず力こそ正義の世界だ。次第にパワーチューニングがエスカレートしていき、気が付けば文字通りのフルチューンスペックに進化していたそう。
H22Aエンジンは、CD6用ブロックにJUNのシリンダーライナーを打ち込んだ上、ブライアンクロワー製の100mmストローククランクとH断面コンロッド、CPキャリロ製87φ鍛造ピストンにより、2.4Lまで排気量アップ。もちろん、ヘッドもフルチューン済みだ。最もハイスペックだった仕様は、GT3037Sタービン+NOSのコンビネーションで600psを絞り出していたというから恐れ入る。
「エンジンは今の仕様に落ち着くまで何基もブローさせましたし、タービンも数えきれないほど交換してきましたけど、やっぱりチューニングは楽しいですよね。今はストリートメインなので、GTX3576Rタービンのローブースト420ps仕様で乗っていますが、制御を旧式のモーテックから最新のLINKに変更するなど進化を続けていますよ」。
以前はモーテックM4で制御していたが、現在は日本語ソフトがあって扱いやすいLINKのG4+に変更。同時に電子制御スロットル化も実施した。インマニはSkunk2、スロットルボディはGramsの72φで、どちらもK型エンジン用を採用している。
かつてはブーストの立ち上がりをカバーするため、100psのエクストラパワーが得られるドライショット式のNOSをスロットル手前に打っていたが、最近は使用する機会がない&ガスの充填が面倒との理由から、ジェットを絞っている。
一方、室内は非常にシックで魔改造マシンらしからぬ空間に仕上げられる。メーター周辺はデジタルダッシュロガーを軸にリメイク済みだ。
電子制御スロットル化に合わせて、アクセルペダルはポジションセンサー付きのV35スカイライン用を加工流用する。
なお、布村さんにとってリヤマウント式ターボのCD6はこれが2台目だったりする。前車は足回りをイジりすぎて車検に通らなくなったため、仕方なく箱替えしたのだ。さすがに普段乗りは厳しいため、5速MTを換装したCF2型アコードワゴンSiRをセカンドカーとして所有している。
布村さんがメインで乗ってきたアコードは、全て1993年から1997年に発売された5代目CD型セダンをベースとするが、何故そこまでアコードに拘るのか?
「プレリュードやシビック、インテグラと比べると、チューニングベースとしてはマイノリティな存在ですよね。そんなところも好きですし、圧倒的に強かったJTCCのイメージもあります。でも、最大の魅力はデザイン。ノーズが低くてシャープなフロントマスクがたまらなく大好きなんです」と、その魅力を語ってくれた。
5代目オンリー。この先、例えばK20Aなど後継エンジンに換装することはあり得ると語るが、あくまでボディはCD型を貫く。究極系アコードとして、今後のさらなる進化に期待したい。
PHOTO:岩島浩樹
●取材協力:EFIテクノロジック 富山県富山市萩原439-1 TEL:076-456-8298
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