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パドルシフト&電動サイドブレーキ化でセンターコンソールを排除!
ウインカーやライトのスイッチ類は衝撃の無線仕様!?
パリダカ仕様のポルシェ959を彷彿とさせるロスマンズカラーで身を包んだ美しいJZA80スープラ。東京オートサロン2020の“バリス”ブースで公開されるやいなや、SNSを通じて国内はもとより海外にまで情報が拡散され、大きな反響を呼び起こしたスーパーチューンドだ。
心臓部に収まるエンジンは、ハイコンプ化された3.1L仕様の2JZ-GTE。そこにT88-38GKタービンを組み合わせることで800馬力を超える出力を獲得。また、スロットルは電子制御化されており、シフトカットやオートブリッピングなどの機能も実装済みだ。これらのメカニカルパートは名将“ドゥーラック”がメイキングを担当している。
エンジンルームは各部をブラックアウト処理し、タービンも耐熱ブラックでリメイク。すでにかなりの完成度だが「まだまだです。これから本格的なシェイブドベイ&ワイヤータックを進めていきますよ」とはオーナー。
インタークーラーはARCのワンオフ水平マウント仕様。このレイアウトを実現するために、エンジン搭載位置は可能な限りバルクヘッド側に追いやっている。
エキゾースト環境は、この車両に合わせて製作されたチタンのワンオフスペシャル。燃料タンクを移設することで、センター2本出しレイアウトを実現した。
サスペンションはBCレーシングの3WAY車高調に、イケヤフォーミュラのフルアームを組み合わせる。ブレーキシステムは前後ともにブレンボ(F:エンツォ R:F50)で、ローターのベルハウジングはホイールやロスマンズカラーとのバランスを考えて、ガンメタへとハードアルマイト加工済みだ。
超深リムのホイールは、18インチのボルクレーシングTE37VマークII。サイズはフロント10.5Jマイナス20、リヤ11Jマイナス30の設定で、ディスクカラーはゴールドにカッパーを混ぜたオリジナル調合だ。パツパツにセットされたプロクセスR888R(F275/35-18 R315/30-18)がトラックスタンス仕様を物語る。
コクピットメイクも凄まじい。ミッションはアルビンス製のST6(6速シーケンシャルドグ)を搭載しているが、シフトはIパターンからアクチュエーター制御のパドルシフトに変更。これはオーナーによる完全なオリジナルシステムとのことで、電子制御スロットルを含めた綿密なマネージメントによって電光石火のシフトチェンジを可能としている。
パーキングブレーキを電動化しているのも大きなトピック。スイッチ操作の電動アクチューエーターをトランクに仕込んでサイドブレーキワイヤーを引っ張る構造なのだが、パドルシフト同様に完全オリジナルでこれを作り上げたというから恐れ入る。
こうして、シフトノブとハンドブレーキが必要なくなったことでセンターコンソールは撤去。マニュアルミッションの90’sスポーツモデルとは思えない室内を創出したのだ。
驚きはまだ続く。ウインカーやライト類のスイッチをWi-Fiによる無線接続にして、ステアリング(OMPスーパークアドロ)のボタンで全てを操作できるデジタルシステムを構築。そのため、ステアリングコラムにはスイッチレバー類が一切存在しないのである。
シートはブリッドのガイアスIIで、レーシングハーネスにはレアなウィランズとバリスのコラボモデルを装着。内装パーツの各部を、アルカンターラ&ブリッドグラデーションファブリックで張り替えている点も見逃せない。
コクピットとは対照的に、非常にレーシングな印象を受けるラゲッジスペース。黒いボックスは米ラジウムエンジニアリングの80Lレース用フューエルタンクだ。室内を覆い尽くすロールケージは、応力集中部分を全てバーで連結して剛性を飛躍させている。
そしてエクステリアは、バリスによって開発されたSUPRIMEワイドボディキットでフル武装。機能性をビジュアルとして昇華させたデザインワークは流石の一言だが、これによりJZA80のスタイリングをさらに研ぎ澄ませ、ハイチューンドに相応しいアピアランスを生み出すことに成功している。
ヘッドライトおよびテールランプもLED仕様(カーショップグロウ製)でバージョンアップ。細部まで手を抜かずにメイキングしているのだ。デザイン性が非常に高いため気づきにくいが、フェンダーはフロント片側60mm、リヤ片側70mmのワイド仕様となる。
「路線はトラックスタンスだけど、やりたい事を詰め込んだ仕様という感じですね。今後も継続的にアップデートを続けて、常に最新式でありたいですね」とほくそ笑むオーナー。最強のストリートチューンドを目指した男とJZA80のストーリーは、まだまだ終わらない。
PHOTO:土屋勇人
●取材協力:バリス TEL:042-689-2939
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