「今なお続くスカイライン伝説」吟味されたパーツで鍛え抜かれたR31とBCNR33に大注目

拘りのエンジンメイクに大注目!

RB20改2.4L仕様のR31と、RB26改2.8L仕様のBCNR33

日産を代表するチューニングベース『L型』に続く、次世代エンジンとしてデビューしたRBエンジン。その歴史はR31世代にまで遡り、スカイラインシリーズの代表エンジンとして認識されている。

“ハイテックパフォーマンス”が手掛けたR31は、そんなRBエンジン黎明期を飾ったRB20DEが搭載されたモデルをベースに、サーキットと日常シーンの両立を目指してスペックアップされた1台。2.4L化を軸に、当時仕様らしい荒々しさを残しつつトラブルフリーの走行性能を与えているのがハイライトだ。

シリンダーブロックはセメントを注入することで剛性を高めた上、東名パワードの82φ鍛造ピストンとRB26DETT純正クランク&コンロッドをセット。ヘッドも東名パワードの272度ハイカムの投入を軸に徹底的に手を入れ、耐久性とハイレスポンスを高次元で両立させている。

そんな強心臓に組み合わせるタービンはTD06SH-25G。GTS-R純正エキマニをウエストゲート用に加工してドッキングしている。最高出力は530ps(ブースト1.4キロ)の設定だ。

レスポンスを求めて、スロットルにはRB26DETTの純正6連を流用。エンジンマネージメントはF-CON Vプロが担い、トラブルが多いエアフロはキャンセルしてDジェトロ化を図っている。

パワステのリザーバータンクがヘッドライト直後の位置に移設されているが、これはパイピングレイアウトを最適化するため。整備性の向上を目的に、ヘックス(6角穴)ボルトを多用しているのも見逃せないポイントだ。

ミッションは長らく純正5速MTを使っていたが、530psというパワーに耐えきれず3速がブロー。そこでECR33の純正5速に変更して対策。クラッチはOS技研のツインプレートが奢られる。

足回りはオーリンズ車高調を軸にセットアップ。ホイールはワークのマイスターS1で、タイヤにはディレッツァZII(F225/45-17 R245/40-17)を組み合わせる。

ブレーキはフロントにER34純正を、リヤにR32純正を流用し容量アップ。マスターバッグもR32タイプM用に変更しているが、これはサージタンクを取り付けるためのスペース確保が目的だ。

定番位置にデフィの排気温/油温/油圧/水温計をセット。その他、ステアリングやシフトノブ、オーディオなども交換されているが、ノーマルの雰囲気は残されている。ETCの上に見える物体はトラストの年代物ターボタイマーだ。

一方のBCNR33は、自走派サーキット仕様としてハイテックパフォーマンスで進化を続けるユーザーチューンドだ。

心臓部は、HKSの鍛造ピストン&クランクに東名パワードのH断面コンロッドを組み合せて2.8Lまで排気量を拡大。ヘッドも燃焼室加工やポート研磨などくまなく手を入れ、そこにアクチュエーター式のT517Zタービンをツインでセットしている。

さらに、オーナーが求める「街乗りでの気持ち良さ」を実現するため、インテーク側に260度の東名パワード製カムを、エキゾースト側に248度のレイマックス製カムをそれぞれ組み合わせているのもポイントだ。これにより、3000rpmでピークブーストに到達し、そのまま7000rpmまで力強い加速が持続するワイドなパワー特性を獲得。最高出力は550psだ。

エキゾーストはガナドールのフルチタンモデルを軸に、完全合法のレイアウトを構築。チタン特有の乾いた高周波サウンドも魅力だ。

ホイールはボルクレーシングTE37SLで、タイヤにはプロクセスR888をセット。ブレーキは前後共にアルコン製のキットを導入してストッピングパワーを強化済み。

キットパーツをそのまま組むのではなく、オーナーの乗り方に合わせて仕様を細かく変更しながら理想的な特性を求めていく。ハイテックパフォーマンスの技術力の高さがよく分かるチューンド達だ。

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●取材協力:ハイテックパフォーマンス 千葉県市原市勝間192-2 TEL:0436-76-8277

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