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心臓部はRB25DET+GT3037プロタービンで400馬力!
ナンバー付きの快適ハイチューン仕様として蘇ったZ31
1983年(昭和58年)にデビューした3代目フェアレディZ。時代の流れに合わせ、それまでのモデルよりラグジュアリー色の強いグランドツアラーとして世に送り出された。
バブルに向かう時期だけに、豪華装備に加えてモデル設定も多く、エンジンだけを見ても、前期・後期を通してVG20ET、VG30ET、VG30DE、RB20DETというラインナップを誇ったのだ。
ここで紹介するZ31は、後期型のワイドボディモデル、VG30DE(NA・AT)搭載のZXがベース。手がけたのは、東北の実力派ショップ“ゼスティー”だ。オーナーはドリフト志向が強いため、それに合わせて各部にチューニングが施されているのがポイントだ。
心臓部はチューニング適応度が低いVG30ETからRB25DETへと換装。東名パワードの鍛造ピストンとポンカム、アクチュエーター式のGT3037プロタービンがセットされ、耐久性重視の400psオーバーで仕上げられている。
ノーズの長いボディデザインを活かし、ラジエターとインタークーラーはVマウントで配置。当然エアコンも装備される。Z31はフロントの走行風の抜けが悪く、全てのクーリング機能を発揮させるためには、かなり考えてパーツレイアウトを構築しなければならない。その解決策がVマウントだったわけだ。
足回りは、エスコートオリジナルのオーリンズ車高調をベースに構築。軽量なボルクレーシングTE37V(F8.5J R10.5J)の隙間から覗く、エンドレスの6ポッドキャリパーシステムがやる気を感じさせてくれる。
コクピットはデフィのマルチモニターDSSCで集中管理。純正のメーターを撤去し、メーターパネルを製作することで質感の高いインストールを実現している。
前後のタワーバーに加えて、サイドバー付き13点式ロールケージで剛強ボディを作る。Tバールーフ&ハッチバックという形状のZ31の場合、想像以上に負荷がかかるサーキット走行を繰り返していると、ダメージが蓄積してボディに歪みが発生してしまうケースもあるからだ。
ドライバーズシートはブリッドのフルバケット(カーボンシェルタイプ)、ナビシートにはレカロのリクライニング式をそれぞれ装備する。
弱点を克服しながら、トップチューナーの手により無駄のないツボを抑えたメイキングが施されたZ31。色気が溢れるシンプルなエクステリアまで含めて、まさに大人のチューンドと呼べる仕上がりだ。
●取材協力:ゼスティー 宮城県宮城郡利府町神谷沢字塚元63-1 TEL:022-396-0411
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