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生涯を共にする相棒と決めてエンジンから外装までリフレッシュ
深みのあるカローラフィールダー純正色がベストマッチ!
今回の主役は、石川県のチューニングショップ“RSサンサイ”にてフルリフレッシュを敢行したランエボIV。現存数が少なくなってきたCN9Aで、ここまで丁寧に手直しが施された個体は珍しいだろう。
「“全てを共にするとか、何をおいても愛車が優先!”というほどの熱血ではないのですが、長年連れ添った相棒が朽ちていくのも寂しいものですからね…」とはオーナーの高民さん。
物語は、高民さんが整備士として働き出した約25年前まで遡る。当時のRSサンサイに下取りで入ってきたこのランエボを、安く譲ってもらったのが始まりだった。このRSサンサイ、実はオーナーである高民さんの幼少期からの友人である現代表・山際さんの家業なのだ。
タービンを変え、クーリング系を強化し、モーテック制御にし、ランエボVのブレンボをセット…と、どんどんステップアップ。通勤距離が長かったこともあり、チューニングカーを走らせる楽しみは毎日味わえたという。
そうしてアッという間に走行距離は伸びていき、この5年程はさすがに各部のガタを痛感。エクステリアも劣化が目立ち、下周りには錆も発生。エンジンも、最後のオーバーホールから15年以上が経過していたため、調子は今ひとつだったそう。
「それでも手放して乗り替える気にはならなかったです。で、気が付いたら当時の新車価格以上の費用を突っ込んで、リフレッシュを依頼しちゃいました(笑)」。
細部を見ていく。4G63エンジンは、オーバーホールして傷んだメタルやクランクシャフトなどを交換。ピストンはランエボVIII-MR純正を流用した。タービンは元々使用していたHKSのGT2835を引き続き採用。エキマニやカムカバーはリフレッシュも兼ねてセラコートという断熱ペイントでコーティングし、熱害を抑え込む策を講じている。
同時にエンジンマネージメントも一新。DOS仕様のモーテックM4は今後使っていけないと判断し、LINKのG4Xへと移行したのである。
スパルタンなロールケージが目に付くものの、室内はストリート然とした印象だ。純正レカロシートは運転席側の劣化が激しかったため、ブリッドのジータIVに交換した。リヤのトノボードには往年のアルパイン製スピーカーが鎮座しているが、これについては「もう劣化しているので、どうにかしなきゃとは思っているのですが、結構気に入ってるんです」とのこと。
メータークラスターに収まるのはAimのダッシュロガーで、LINK G4Xで得た車両情報を一括表示させることが可能だ。
トランクパネルやボンネットの裏側はマットブラックでリペイント。塗りやすく、塗装費用の節約にもなるというのがポイントだ。
エクステリアは、カローラフィールダーの純正色“クールボルドーガラスフレーク”でオールペイント。もらい事故に遭ってボディに大ダメージを負った過去があるため、今回のリフレッシュでフレームの矯正もしっかりと行われた。
「だましだまし乗るのをやめて、しっかりとリフレッシュして長く乗ろうという話になったんです。オーナーは小学校時代からの同級生。気心も知れていて、急がず焦らせず作業完了を待ってくれたので、じっくりと良いリフレッシュに取り組めました」とはRSサンサイの山際さん。
リフレッシュに要した期間は丸2年。それ相応の金額が掛かったとはいえ、まるで新車のような輝きを放つランエボIVは紛れもなく一生物だ。
●取材協力:RSサンサイ 石川県野々市市押野4-50 TEL:078-6045-8345
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