「このスタイルにグッとくる走り屋は多いはず!」FC3Sの平成ドリフト仕様が完全復活!!

平成初期のドリ車スタイルにVIPをアレンジ

懐かしさと新しさが融合する温故知新なFC3S

長年培った技術と卓越したセンスで、オーナーの思い描いた理想の先を行くカスタマイズカーを生み出してきたマツダ車のスペシャリスト“三好自動車”。全国各地のドレスアップカーイベントでは、同社のトレッドセッター達が次々とアワードを獲得。さらに魅せるだけでなく、走りも妥協しない姿勢が高く評価されている。ジャンル的にはトラックスタンスが中心で、どのクルマも唯一無二の存在感がある。

さらに、近年は黄金時代のスポーツカーの価格高騰が続く中、乗り替えではなく1台のクルマを長く乗り続ける傾向が強いため、オンリーワンを求めてカスタムの世界も活性化。より表現の自由度が高いワイドボディを望むユーザーも増えている。三好自動車で言えば、リバティウォークのFD3SスーパーシルエットGTがその代表格だが、ボディのワイド化がオンリーワンを目指す上での究極形態でないことは、カスタム界では周知の事実だ。

今回紹介するのは、今風の立体的なレーシングデザインとは異なる切り口で製作したデモカーだ。狙ったのは平成初期のドリ車で、いわゆる袴(張り出し)系と呼ばれるエアロスタイル。10数年前のドリフト競技で三好自動車カスタムアドバイザーである三好祐也さんの目に焼き付いた「326パワー」のFC3Sがそのモチーフだという。

エクステリアは。前後バンパーとサイドステップにBNスポーツで、オーバーフェンダーはフォーサイトとGPスポーツを採用。フロントが片側40mm、リアが片側50mmワイド化している。

湾岸羽根と呼ばれるリアスポイラーはパンデム製で、エアロボンネットはERCが当時JSSで使っていた本物のレーシングパーツを譲り受けた。攻撃的な半目のフロントフェイスと、貼り付けた感あるリアフェンダーが遠目からも目を引く。

リングテール&スモーク仕様のリアコンビランプはワンオフ品。純正のバルブも使用可能だが、LED化するほうが視認性は高まりそうだ。

サスペンションはドリフト競技に参加するわけではないので、イデアルのエアマックスを装着。アーチ上げ(インナー加工)を施し、いつでも理想のロワードスタイルに決められる。

ボディは原色系のイエローにオールペン。その姿はドリフト全盛期を彷彿させるが、当時のテイストをそのまま再現するのではなく、足元にはワークのドレスアップ系ホイールの定番「EMITZ」の19インチをツラウチにセット。重厚感と存在感のあるクロームメッキ×デッシュデザインの組み合わせは、現在のスタンス系(スポーツVIP?)に通ずるものだ。

エンジンについては、サーキットでタイムを競う以外のオーナーには長く乗り続けられるチューンを提案するのが基本。FC3Sもその考えになぞって、本体をリフレッシュした上で、エキゾースト系をRE雨宮で固め、インタークーラーはトラストの前置きタイプに交換したブーストアップ仕様。パワーは250ps程度だが、1.2トンクラスのボディなら十分に速い。駆動系もリフレッシュを兼ねてORCのライトクラッチとOS技研のスーパーロックLSDへ強化している。

インテリアはノーマルを基調としつつ、メーターフードとグローブボックスにDefiの追加メーターを組み込み、エンジンコンディションをつねに監視。300㎞/hスケールのコンビメーターはパンスピード製で、ホワイトの文字盤がアクセントを加える。

シートはスタイリッシュかつ、ゆったりと包み込まれる感覚が心地いいBRIDEのAIRを左右にインストール。ステアリングは2024年のオートサロンで発表された世界限定400本のGReddy×MOMOのコラボ品を採用。パーツセレクトを含めて、細部までセンス良くまとまっている。

「当社はモータースポーツをイメージした正統派なマシンメイクをする機会が多いのですが、個人的にはこうしたやんちゃ系なヤツも好きなので、作ってみたかったんですよ」と三好自動車でカスタマイズを担当する三好祐也さん。

常に探求を怠らず、良いものは世代、ジャンルを超えて採用。柔軟な姿勢で新しい風を吹き込むのが三好自動車の強み。中・四国エリアの幅広いカスタムフリークから支持を集める理由はここにある。

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●取材協力:三好自動車 岡山県倉敷市下庄947-6 TEL:086-462-0708

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