目次
アメリカらしい過激さ炸裂！
アメリカのアフターパーツ業界で最大級の規模を誇る見本市、SEMAショー。ここ数年、存在感を増し続けているのが実は日本車だ。2024年は特に日本車の勢いが凄まじく、カスタムの本場でもJDMが確固とした地位を築き上げていることを印象付けた。ラスベガスを沸かせた注目モデルをピックアップ！
独自解釈のワイスピR34トリビュート！
アメリカの人気YouTuber「Throtl（スロットル）」が手がけたR34スカイラインは、映画「ワイルド・スピード」のオマージュ作。ベースはGT-Rではなく、ER34の25GT-tのAT車だったが、オーストラリアのPRPが供給するRB26DETTクレートモーター換装と、GT-Rの前後サブフレームやフロントデフ、トランスファーケースなどを移植した4WDコンバートを実現。
トランスミッションはFTIのトルコンATであるパワーグライドが搭載され、最高出力2000hpをターゲットとする。C-WESTのフロントバンパー、SEIBONのフロントフェンダー、FRP製のGT-Rスタイルリヤクォーターパネルを装着し、ブルーのグラフィックはラッピングではなく塗装で再現している。
センチュリーのV12搭載ダルマセリカ！
フロリダのATSレーシングが「JDMホットロッド」をテーマに製作した76年式セリカは、なんとセンチュリーの1GZ-FE型V12エンジンを搭載。アメリカのHARTLEYというメーカーが展開する12連スロットルとビレットカムカバーを備え、圧倒的に美しく、迫力も感じられるエンジンルームを構築した。
フロントに備わる大型エアダムやワンオフのワイドフェンダーは、アメリカ伝統のレースカテゴリーであるIMSAのスタイルを継承。センターロックのBBS E55というレーシングホイールも装着し、そのコンセプトの通り、アメリカのビルダーが日本の旧車をベースに徹底的に仕上げたホットロッドというイメージを具現化した。
GRカローラから4WDを移植したGR86
トヨタブースの目玉のひとつとして注目を浴びたのが、GR86をベースとする「ラリーレガシーコンセプト」。2026年に予定されているWRCのアメリカ復帰に向けた機運を盛り上げようと製作されたコンセプトモデルで、中身はなんとGRカローラの3気筒ターボと4WDシステムが移植されているのだ。
実走行可能な状態で製作されており、現状の動力性能はGRカローラ同等ながら、モーテックM142を使った制御のチューニング次第で、さらなるパフォーマンスも実現できるとの。カラーリングは往年のセリカGT-FOURをモチーフとしているところがエモい！
ガレージアクティブは初のR33で参戦！
フルドライカーボンのワイドボディでお馴染みのガレージアクティブは、これまでR32をベースとするカーボンRで3度SEMAに参加。4年目は初めてR33スカイラインGT-RのカーボンRをラスベガスに持ち込んだ。キャンディレッドとドライカーボンの素地模様がグラデーションになったペイント、キャメルのアルカンタラとレザーでフルリメイクされたインテリアは、各種SNSでバズりまくった。
エンジンはHKSのタービンとオリジナルのエキマニを備えたRB26DETTツインターボで、650psを想定したストリート仕様。コンプレッションチューブの集合部はCNCのビレット削り出しを使用している。
ムーンテック渾身のV8換装M3も見参！
群馬県伊勢崎市にあるムーンテックは、代表を務める田口さんが個人所有するE36型M3を初めてSEMAに展示。LS1型のV8エンジンには8連スロットルが搭載され、エンジンルーム全体の美観も徹底的に整えられた。
E30型のM3を彷彿させるブリスター形状のワイドフェンダーをワンオフで製作したほか、内装もグレーのフルスエードで美しくリメイク。3WAY調整式のPloomエアサスペンションでローダウンを行い、ホイールはジャパンブランドでありながらアメリカの工場で削り出し工程を行う、ニュートレイルのセンターロック鍛造オリジナルホイールを採用。フロントにターボフィンを備えるオシャレ技も炸裂！
スーパーワイドなCR-XにV6と4WDを移植！
フロリダのグーイチモータースは89年式のCR-Xをベースに、CGデザイナーのジョン・シーバルがデザインしたオリジナルのワイドボディを製作。エンジンはインスパイアやアキュラTLなどに搭載されたJ32型V6エンジン。エンジンビルダーのP2Rがフルチューンを行い、ギャレットのタービンで過給するツインターボを実現。J型とK型の変換アダプターを使い、K型用としてリリースされているクワイフのシーケンシャルミッションを接続。ホンダ車用のドラッグレースパーツを多く手がけるドラッグ・カルテルのAWDキットを使って、プロペラシャフトとリヤデフ、リヤアクスルを備える4WDを実現した。
Part.2へ続く
