「輸入解禁となったBNR34チューニングが加熱！」アメリカ・テキサスで開催された『GT-Rフェスティバル』独占取材 Part.2
世界中のGT-Rファンがテキサスに集結！
2024年11月15日〜17日の3日間、アメリカのテキサス州にあるサーキット、テキサス・モータープレックスで開催された「GT-RフェスティバルUSA」。これまでオーストラリアのシドニーで開催されてきた「GT-Rフェスティバル」が、第二世代スカイラインGT-Rブームで盛り上がるアメリカに満を持して進出し、初の北米イベントを開催した格好だ。テキサスは「TX2K」というドラッグレースの一大イベントが開催されるでも知られ、そこで花形として注目を浴びるのがR35型のGT-R。全米におけるGT-R文化の震源地と言っても過言ではなく、25年ルールを過ぎた第二世代スカイラインGT-Rの数も指数関数的に増え続けている。「アメリカでGT-Rオンリーのイベントを開いて果たして何台集まるのだろう？」という外野の予想をあっさりと裏切られ、大いに盛り上がったイベントの様子を3回に渡ってレポートしていこう。
ゼロヨンマシンでも置き要素を重視！
GT-Rフェスティバルに集まるR35はドラッグレースガチ勢が大半を占めるが、もちろんドレスアップ系やストリートの走りを意識した仕様も参加していた。
こちらは、CMSTチューニングのフロントカーボンフェンダーやトップシークレット製フロントバンパー、カーボントランクリッドなどを備え、独自のスタイリングを構築。ホイールはROHANAの鍛造大径モデルを履く。一方のエンジンは、T1レースのショートブロックにAMSパフォーマンスのカーボンインテークマニホールドを装着し、パフォーマンスアップも実現。
輸入解禁を受けたBNR34は早くもチューニングが加熱！
1999年に発売されたBNR34のスカイラインGT-Rも、いよいよ25年ルールにより輸入のハードルが下がり、アメリカに上陸する台数が増えてきている印象。とはいえ、まだそこまで手の込んだチューンドは多くないのだが、GT-Rフェスティバルではこの車両のようにエンジンルームまでしっかり作り込まれた一台に出会うことができる。
RB26エンジンにはフロリダにあるWWR（ワールドワイドレーシング）のシングルターボを搭載する他、CPCマニュファクチャリングのビレットインテークマニホールドを装着。ホイールもフロリダにあるVELOSデザインワークスの鍛造とアメリカっぽい色気が漂う。
カナダのGT-R専門店がBNR32をフルモディファイ！
はるばるカナダのモントリオールから参戦したM-Spec GarageのR32。GT-R専門店として営業しているそうで、RBチューンのノウハウにも長けているショップだ。
エンジンはRB30ベースの3.2L仕様で、6速MTに変換。チタンのインタークーラーパイピングは同じモントリオールにあるHBWファブリケーションの作だ。プレシジョンのタービンはカムカバーやインテークと色を合わせるため、PRPでゴールドのアルマイト処理を行った。ホイールはボルクレーシングGr.Cのリバレルと、オーナー兼ビルダーのオールドスクール好きも垣間見られる。
S15シルビアにRB26をスワップ！
少数ながらGT-R以外の車種も参加していたが、エンジンがRB系に載せ換えれられているケースもちらほら。こちらはアメリカには正規輸入されていなかったS15型のシルビアだが、BNR34と同じ1999年発売なので、今後アメリカで見かける機会も増えてくるかもしれない。
エンジンがRB26DETTに換装されている上、内外装がバリッと仕上げられているところが印象的。純正のインテリアがレザーで綺麗に張り替えられているのに驚かされた。
GT-RのライバルZもRB26で武装！
GT-Rフェスティバルでは脇役に甘んじるが、アメリカで人気の高いジャパニーズ・クラシックの筆頭であるS30型ダットサン240Z（フェアレディZ）も参戦。エンジンがRB26シングルターボ仕様に換装され、コアサポートをサンドイッチするように巨大な前置きインタークーラーと電動ファン付きアルミラジエターを装備。ホイールはアメリカン鍛造のCCWツイステッドクラシックを備える。
VQ35ターボスワップの240SX参戦！
フロリダから参加したこちらのS14前期型240SX（シルビア）は、エンジンをVQ35HRに換装。エンジン本体はフロリダのDRE Tunedで組まれ、ユニークな取り回しのフロントマウントシングルターボを構築。ウェストゲートバルブの出口にもアイキャッチ的なワンオフのパイプを設けている。インテークパイプと電子制御スロットルもかなり太く、それにも増して目を引く大きさのサージタンクにコールドエアを送り込む。将来的にはVR38DETTとBMWのDCTの組み合わせに換装するプランも秘めているそうだ。
PHOTO：Akio HIRANO／TEXT：Hideo KOBAYASHI
