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搭載されるのは最新・最強の3Lコンプリート900psエンジン
専用開発のリヤウイングはなんとDRS機能付きのスワンネックタイプ
HKSブースのメインステージに展示されたのは、オリジナルコンプリートカー「THE HKS」の最新のフラッグシップモデルとなるBNR34 GTーR Dimention:Zだ。開発開始から約2年を費やして、ついに完成した姿が披露された。
ベースとなったのはHKS社内で保管されていた極上コンディションの車両だが、Dimention:Zの製作にあたってはほぼホワイトボディ状態から完全なレストアを実施。R34GTーRならではの世界観はしっかりと生かしながらHKSの技術力がフルに注ぎ込まれ、最新かつ最強の第2世代GTーRへと仕立て上げられている。
エンジンルームに収まるのは新開発の2ピースピストンと削り出しの専用クランクを採用したRB26コンプリートエンジンのフラッグシップとなる「RB26DETT 3.0L STEP3 VーCAM」に、大容量のGT7095_BBタービンをセット。冷却系はRタイプインタークーラーにSタイプオイルクーラーという構成だ。基本的には市販パーツを中心とした構成だが、各種パイピングやヒューズボックスなどはブラックの結晶塗装で仕上げられプレミアムイメージを演出している。
デリバリーパイプやレギュレターの燃料系は、ハイパワーに合わせて燃料タンク内のポンプからエンジンルームまでの配管も含めて見直されているほどの徹底ぶり。エンジン制御はFーCON Vプロ Ver.3.4、ブースト制御は最新のEVC7を採用し、最高出力は900psを発揮している。
車高調はハイパーマックスRをベースのDimention:Z専用セッティング品。ブレーキはエンドレス製で、フロントキャリパーはMONO6TA、リヤキャリパーはMONO4rTA。ホイール&タイヤはアドバンレーシングGTビヨンド(FR10.5Jプラス24×19インチ)にアドバンA052(FR275/35)を装着。
エクステリアでの最大の注目となるのがDimention:Zのために開発されたDRS機能付きのスワンネックGTウイング。コントローラーはFーCON V Proとの接続が可能で、車速などに応じて自由自在にウイング角度を可変させることができる。
大型のフロントアンダーディフューザーも専用開発品。サイドステップやリヤリップスポイラーは純正品をベースにカーボンラッピング仕上げとしている。
インテリアも隙は一切なしのフルカスタムで、シートとベルトは50周年記念モデル。ディープコーンのナルディコラボステアリングとラフィックスボスは市販予定の試作品。リヤシートやドアパネル、スピーカーボードはすべてブリッドのシート用レザーで張り替えられ、アクセントとしてロゴ刺繍も施されているのだ。
なんといっても気になるのはBNR34 GTーR Dimention:Zの価格だが、HKSの回答としては「ベース車の程度に応じた“時価”というのが基本です」とのこと。ちなみに展示車を販売するとしたら8000〜9000万円の設定になりそうだというから、やはり選ばれし者のためのスペシャルマシンであるのは間違いない。
このほかにもHKSでは第2世代GTーR向けのパーツも多数を開発中で、RB26DETTエンジンパーツではシリンダーライナーや強化ヘッドスタッドボルト、86.5φピストン、ATI 1000psダンパープーリー対応のVベルトの試作品を展示。またDefiとのコラボレーションとしてF−CON V ProとDSDFの連携も実現に向けて開発をスタートさせたというから楽しみだ。
●取材協力:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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