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1日1機のペースで組み上げられるハイクオリティエンジン!
高耐久・高性能を追求して「クラフトマン」の進化は止まらない!
ライフスパンの長さからつい忘れられがちだが、金属パーツの集合体であるエンジンは“消耗品”だ。走行距離や稼働時間の増加とともに、各パーツは削られてクリアランスが拡大。さらに、各部に蓄積するスラッジ類も加わり、徐々に本来の性能を発揮できなくなっていく。それが小排気量モデルの場合、わずか数パーセントのパワーダウンも走りに大きな影響を与えかねない。

そこで注目したいのが、“ファイターエンジニアリング”が製作しているリビルトエンジン「クラフトマン」。20年以上の長い歴史を誇るもので、その内容は時代に合わせて常に進化。オリジナルパーツとノウハウを投入した高耐久性&高性能が自慢のエンジンは、単なるリビルトではなくチューンドコンプリートと呼ぶに相応しいクオリティなのだ。

2サイクル時代からの幅広いスズキ車用エンジンに対応しているが、メインとなっているのはF6AとK6Aターボで、最近はR06のオーダーも増えてきた。このクラフトマンエンジンには「スタンダード」と「タフ」の2タイプを設定。点検と洗浄、ウェットブラスト処理されたベースエンジンに、オリジナルの0.1mmオーバーサイズピストンを組み込んだシリンダーブロックは共通仕様。タフエンジンでは、ヘッドのポート加工とメタルヘッドガスケットなどが追加となる。
また「ハイシールド」と名付けられた現在の仕様は、エンジン組付けに耐振動、耐衝撃、耐熱に優れる高性能シーラントを採用。K6Aには塗布量を2倍として、弱点とされるオイル漏れ対策を施しているのもポイントだ。


かつてはスズキから純正オーバーサイズピストンの供給もあったが、現在では入手困難な上に、排気量が660ccを超えて普通車登録が必要となっていた。そこで開発したのが0.1mmオーバーサイズ(659.6cc)のオリジナル鋳造ピストンで、F6AとK6Aの全てのエンジンに標準採用。ピストンリングも、テストを重ねて実績の高いTRR製を採用する。

ターボチャージャーによる過給が加わりハイパワーを発生させるターボエンジンでは、高い燃焼圧力に対応した高性能なヘッドガスケットが重要。そこでF6A(シングルカム/ツインカム)とK6A「タフ」仕様には、ビードストッパー方式のオリジナルメタルヘッドガスケットが使われる。

アルミブロック化されたが、鋳鉄ブロックのF6Aと比べると、様々な弱点があるK6Aエンジン。排気バルブもそのひとつで、強度不足により割れや熱による溶けが発生し、圧縮もれを起こすことがある。その対策として開発した強化タイプの鍛造排気バルブは、プラス2万2000円のオプション設定品となる。F6A用も存在する。

クランクシャフトをシリンダーブロックに固定しているクランクキャップのボルトは、燃焼圧力により高い負荷を受け止めている部分。F6A(ツインカム/シングルカム)はスタンダード、タフ仕様とも強化タイプを標準で採用している。

平均で年に300機ものリビルトエンジン製作を実現するために、自社内にホーニング用のマシンやフライス盤など様々な工作機械も備えている。ただし、ヘッドやブロックの精密面研は専門工場に依頼している。


クラフトマンタフ仕様のハイパフォーマンスを実現するポイントのひとつが、独自のノウハウによる吸排気ポートの加工。専任のエキスパートが1機に約6時間を要して手作業で行っており、分岐部の壁面形状のシャープな仕上げなど拘りが満載だ。

ファイターエンジニアリングの小林代表にとってのスズキ製エンジンの原点であり、今も製作エンジンの4割近くを占めているいるのがF6Aエンジン。シングルカムはJA11ジムニー用、ツインカムはカプチーノ用とAZ-1(キャラ)用などを常にストックしており、迅速な発送が可能。価格はシングルカムのタフ仕様が29万7000円〜。ツインカムのタフ仕様が36万3000円〜となる。

一方のK6Aエンジンは、JA22やEA21Rなどのプラグコード有りの古いタイプからJB23の各型用タテ置きタイプ、ラパンSSやワゴンRなど用の横置きタイプの完成エンジンを常時ストック。ヘッドカバーはブルー、レッド、シルバーから好みのものがオーダーできる。価格はタフ仕様が36万3000円〜という設定だ。

F型、K型に比べればまだまだ数は少ないが、現行スズキ車の主力エンジンR06Aのリビルトエンジン製作も開始。対応車種はHA36SアルトワークスとJB64ジムニーとなり、仕様は純正パーツによるオーバーホールメニューとなっている(価格は要問い合わせ)。その他、SJ系ジムニーの2サイクルLJ50やK6A、F6AシングルカムのNA、ジムニーシエラのM13Aも対応可能(要問合せ)だ。

さらに注目したいのは、ファイターエンジニアリアングだけのサービスと思われるエンジン先送りシステム。取り外した下取り用エンジンは1ヶ月以内に返送すればOKなので、クルマに乗れない期間は最短で済む。また、ファイターエンジニアリングは認証工場も備えているので、購入したエンジンの積み替え作業にも完全対応。
エンジンの不調に悩む該当エンジンの軽自動車オーナーは、一度問い合わせてみてはいかがだろうか。
●問い合わせ:ファイターエンジニアリング 静岡県静岡市駿河区中島805 TEL:054-203-3900
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