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チューニングレベルの高さも日本以上！
もはや日本以上に旧車ブームが盛り上がっていると言っても過言ではないアメリカ。カリフォルニア州ロングビーチで開催される全米最大級の旧車イベント「JCCS（ジャパニーズ・クラシック・カー・ショー）」には、日本の旧車をベースにしたチューンドも数多く参加している。エンジンスワップやフルコンチューニングなど、さまざまな手法を駆使した最新旧車チューニング事情をチェックしていこう。
パドルシフトとクルーズコントロールもできちゃうAW11！
ゴードン・デービスさんが所有する86年式のMR2は、何とエンジンとミッションをレクサスES350に搭載されていた3.5Lの2GR-FE型V6エンジン&6速ATに換装。製作を担当したのはテキサスにあるDDパフォーマンスリサーチで、パドルシフトによるマニュアル変速も実現させている。その他、キーレススタート、エアコン、クルーズコントロールまで完全動作するとのことで、世界に唯一のMR2と胸を張るに相応しいアップデートが加えられている。
アメリカで人気のトヨタトラックをフルコン化
旧車のエンジンをインジェクション化するためのパーツやECU、配線類などを提供するSNPスピードイノベーションズは、デモカーである22RE搭載のトヨタ・ピックアップトラック（ハイラックス）を展示。オリジナルのスロットルボディキットによるインジェクション化と、ハルテックのマルチコイルパックを使用したダイレクトイグニッション化を実現。制御にはハルテックのエリート550を使用し、デジタルメーターのIC-7も使用されている。
22REの他、タコマや4ランナーに搭載された5VZ型のフルコン接続用アダプターソケットなど、なかなかニッチではあるがアメリカでは需要がありそうなトヨタ旧車向けの商品も取り揃える。
世界一美しいワンダーシビック!?
2019年のSEMAショーにも出展されたAH5型ワンダーシビックは、EK9型シビックタイプRに搭載されたB16B型直列4気筒を搭載。ボアアップにより排気量は2.0Lにまで拡大されている。スカンク2のハイカムが組まれる他、キンスラーのφ55mm四連独立スロットル、マイヤーズコンペティションのエキマニなどを装着。吸排気の効率が高めつつ、AEMエレクトロニクスのインフィニティECUで制御を行い、最高出力は243psを発揮。
ホイールは貴重な無限のNR-10R、サスペンションはJRZのサブタンク付きと、足回りへの拘りも強い。
Kスワップで400馬力オーバーを実現
サンノゼを中心に活動するダークサイドレーシングというチームのリーダー、クリス・ダムラオの92年式シビックは、エンジンをK24Aに換装。JBRエンジンが組んだ88mmスリーブド・ショートブロックと、DNRパフォーマンスのレーシングシリンダーヘッドを使用している。さらに、クラフトワークスのC38スーパーチャージャーキットが装着され、最高出力は425psを発揮する。エンジンルームの処理も実にクリーンだ。
マニア垂涎のオリジナルITRをメイク！
北米では、1997〜1998年と2000〜2001年の間に販売されたDC2型のアキュラ・インテグラタイプR。このフェニックスイエローの車両は2001年の最終型がベースで、エンジンをK20Aに換装。無限のTSX用エキマニとDC2用のエキゾーストを装着し、エンジンルームのアイコンにもなるプラックワークス製のカーボンインテークも装備。一見、スカスカに見えるエンジンルームだが、ABS、パワステ、エアコンは隠すようにして全て装着されている。
本業の技を活かしたカーボンボディ
アリゾナ州でカーボンパーツメーカーのカクタス・コンポジットを経営するサウル・オソリオが個人所有する94年式アコードワゴン。“JTCCに出場していたカストロール無限アコードを自分のワゴンで再現したい！”というアイディアを具現化した。外板の20％は日本から輸入したディスコンの貴重なエアロパーツで、50％はカーボン職人である自分の手で作り出したオリジナル。複雑な立体的造形をしたフロントのオーバーフェンダーや、ボリューム感のあるサイドスカート、リヤアンダースポイラーを備え、車高も目一杯ローダウンした。
PHOTO：Akio HIRANO／TEXT：Hideo KOBAYASHI
