「電気自動車でも1500馬力オーバー!?」最先端のコンバートEVを徹底チェック【SEMA SHOW 2021】

エンジンスワップならぬEVスワップが今後の主流か!?

ローエミッション化が叫ばれる昨今、チューニングにも新しい波がやってきた。それがガソリンを使用するエンジンからモーターへと換装する、コンバートEVと呼ばれる改造だ。ここでは、SEMA2021の会場で発見した最先端のEV仕様をチェックしながらチューニングの可能性に迫っていく。

ポルシェ・911

“エレクトリックGT”社がSEMA2021に持ち込んだワイドボディ仕様のポルシェ911は、テスラのモーターを使った「eGT913」と呼ばれる独自のコンバートEVシステム(約600万円)を投入。最高出力は442ps/45.7kgmに達しており、前後重量配分も45:55を実現。ポルシェらしさを残したままEV化できるキットなのである。

ちなみに、バッテリーもエレクトリックGT社のオリジナル(47Kwh/液冷タイプ)で、航続可能距離は257kmと少ないものの急速充電(約45分で85パーセントの充電が可能)に対応。実用面もしっかりと考慮されているというわけだ。

ホンダ・S2000

チューニングパーツのディストリビューターである“Turn14”が出展したS2000は、テスラのモーターとシボレー・ボルトのバッテリーを使ってEV化。航続可能距離は240km、最高出力は600psというとてつもないハイスペックを誇るコンバートEV仕様だ。

車両メイクを担当したのは、ワイヤータック用ハーネスの開発・販売を行なう“Rywire”社。美観も徹底追求し、ガソリンエンジン車では不可能な極限のワイヤータック(!?)を具現化しているのだ。

コクピットはノーマル然とした仕上がりだが、EV化にともなってミッションは撤去。シフトゲートにはプリウス等と同じシフトスイッチが設置されている。完全なるシフト・バイ・ワイヤ仕様なのである。

フォード・マスタング

この現行型マスタングは、フォードのレース部門“フォードパフォーマンス”がSEMA2021で発表したEV仕様車だ。4基のモーターを配した純然たるレーシングスペックで、最高出力はなんと1502psという驚異的な動力性能を誇る。

ドラッグスリックとパラシュートの装備からも分かる通り、ターゲットステージはドラッグレースだ。このEVマスタングの戦闘力は本物で、セッティング段階にも関わらずあっさり8秒27(終速270km/h)をマーク。もはや、8秒の壁を破るのは時間の問題と言えるだろう。

なお、フォードパフォーマンスは次世代のレース用パワーユニットとしてこのEVシステムをアップデートさせていくことを宣言している。彼らの一大プロジェクトから、しばらく目が離せそうにない。

スーパーフォーマンス・Mk3(コブラレプリカ)

歴史的名車として名高い「シェルビーコブラ」のリプロダクションモデルを開発・販売する名門“スーパーフォーマンス”も、ついにEV仕様のプロダクトを発表した。

開発車両のエンジンルームに収まっているのは32kWhのLG製バッテリーで、モーターや制御はテスラモデルSのシステムをゴッソリと流用。回生ブレーキなどのコントロールが非常にシビアで、完成までにはかなりの時間を要したそうだ。具体的なパワースペックは公表されていないが、従来のV8エンジン仕様に勝るとも劣らぬトルク特性を実現しているとのこと。

コクピットは英国スミス社のアナログゲージを軸にクラシカルな雰囲気で仕上げられているが、センターコンソールにはEV用のモニターが組み込まれ、シフトノブも撤去されている。

シェルビーコブラ(レプリカ)が無音で走り去る姿など想像もつかないが、SEMA2021での注目度はトップクラスだった。「旧車はEV化が当たり前」、そんな時代がもうすぐそこまで来ているのかもしれない。

●取材イベント:SEMA SHOW 2021

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