エンジョイから本気組までチューニングの幅は千差万別
あらゆるジャンルのマシンとドライバーが集結するドラフェスは、その自由度の高さが魅力のひとつだ。中でも参加台数が多いのが、ロータリーエンジンやSRエンジンを搭載したマシンたち。ベテラン勢による長年かけた仕上げと、若手による新鮮なアプローチが交錯するなか、それぞれの個性あふれるチューニングが光っていた。今回は、ロータリーマシンにフォーカスし、こだわりの詰まった4台をご紹介しよう。
父のFC3Sを撃墜するためRX-8からRX-7に乗り替え!
ギンヤンマ7(FD3S)【ドライバー:上村 楓/ベストタイム:12秒099】


父親がFC3Sで参戦していることに刺激を受け、SE3PからFD3Sにステップアップした上村さん。サイドポート拡大加工と3分割アペックスシールを組み合わせた13B-REWエンジンは、WPC処理によって耐久性とパワーを両立。T78-33Dタービン装着で、最大出力は450psを誇る。
「子どもの頃からロータリーが身近で、他のエンジンには興味が持てなかった。REの音とパワーは、一度味わったらやめられません」と語る上村さん。

足まわりはエンドレスジールの車高調を軸に構築。275/40R17サイズのフージャー製ドラッグラジアルをワイドフェンダーと共に装着する。FD3Sでの初参戦は惜しくも12秒切りに届かず、父の記録も越えられなかったが、今後の成長が楽しみな1台だ。
沖縄仕込みの本気ドラッグ!3ローターペリで炸裂
ともけんRX-7(SA22C))【ドライバー:与那覇朝昭/ベストタイム:10秒410】


沖縄・伊是名島で行われるドラッグレース参戦を目的に、埼玉のトップフューエルレーシングで製作されたケンズファクトリーのSA22C。搭載されるのは、LINK G4+で制御される3ローターペリポートエンジン。フリクションを低減する電動ウォーターポンプを採用し、NAながら500psを発生させる。
今回、これまでのベスト10秒5を更新し、10秒410を記録。今後は「エキスパートNAクラス」から「アウトローNAクラス」へのステップアップも視野に入れている。

内装は軽量化のためダッシュボードなどを取り払い、モニターはステアリングコラム上、スターターなどのスイッチはシフター後方に移設。ヒューランド製のシーケンシャルミッションも装備するなど、本気度の高い仕様だ。

外観はノーマル然としているが、26.0/10.0-15サイズのドラッグスリックを履くためにオーバーフェンダーを装着している。
コンセプトはノーマルルックで速いマシン!
harada-FC(FC3S)【ドライバー:原田昌宣/ベストタイム:11秒857】

昨年、10年以上ぶりに復帰したドラッグレースでエンジンブローに見舞われたharada-FC。今年は同じ仕様ながら新造したエンジンでリベンジに挑んだ。

新エンジンは両面ブリッジポートに海外製アペックスシールを組み合わせ、HKS GT3タービンとF-CON Vプロで制御。640psを発生するが、今回はブーストが思うように掛からず、タイムは伸び悩んだ。さらにバーンナウト中にドライブシャフトが破損し、惜しくもリタイア。
それでも自己ベストは11秒079と速さは十分。次回こそ、11秒切りが期待される1台だ。
450馬力の3ローターペリで目指すは11秒切り!
温泉NA7(FC3S)【ドライバー:杉浦拓也/ベストタイム:12秒185】


ドラフェス常連・杉浦さんのFC3Sは、3ローターペリポートにF-CON Vプロで制御するNA仕様。最高出力は450psで、HKS製6速ミッションを介してタイムを叩き出す。

内装付きのストックボディながら、過去には11秒2を記録。ノーマルフェンダーのまま、26.0/8.50-15サイズのスリックタイヤでトラクションを稼ぐ。今後も仕様を維持しつつ、11秒フラットを目指して進化を続ける。
⚫︎取材イベント:DRAG FESTIVAL 2025 WEST Rd.2

