20年分のノウハウを凝縮!
ガレージミラルダ流ドリ車メイキングの極意
千葉県柏市に拠点を構える『ガレージミラルダ』は、オープン以来20年以上にわたりシルビア&180SX一筋で走り続けてきたドリフト専門ショップ。代表の高島さんは日産ディーラーでの実務経験を経て、松戸市でショップを創業。約1年半前に現店舗へ移転し、最新型シャシーダイナモや専用オイルピットを備えた新体制で、ますます本気のユーザーをサポート中だ。

高島さんは、シルビア&180SXを「ボルト1本から把握している」と語るほど精通。街乗りからドリフト競技仕様まで、どんな仕様でも対応可能だ。修理はもちろん、ECUセッティングやエンジンO/H、足まわりのリファインなども信頼して任せられる。
さらにオリジナルパーツの開発にも意欲的。自社開発の車高調やエキマニ、マフラー、ブレーキパッドなどは、徹底的に走り込んで仕上げられた自信作ばかり。シルビア&180SX乗りから絶大な支持を集めている。
今回は、そんなミラルダのノウハウが詰まった2台の180SXに注目。「ストリートスペック」と「競技対応スペック」、それぞれの作り込みを紹介しながら、“令和仕様のドリ車”の現在地に迫っていこう。
ストリートスペック
ノーマル風ルックスに秘めた本格チューン

この180SXは、ミラルダ創業当時から通う常連オーナーの愛機。外観はノーマル風だが、中身はドリフト全開で楽しめるチューンが満載だ。

GBC22-350タービンやハイカムを組み込んだSR20DETエンジンは、最大ブースト圧1.5キロ時に375.2㎰を発揮。S13純正と変わらないほどコンパクトなタービンだが、設計が新しいフルブレードのため下から上まで気持ちよく回る。アクチュエーター式のため高回転域で若干ブースト圧がタレるが、ストリート仕様にも一押しな特性という。

強化コイルはイグニッションプロジェクツ製。S13やS14でイグナイターが不要になるのもメリット。

インタークーラーは中置き化。万が一コースアウトしても破損リスクが低く、パイピング短縮によるレスポンス向上も狙いだ。

足回りではウィステリア製RRナックルを投入。切れ角を増しつつスピンを防ぐ効果があるが、装着にはテンションロッドやスタビに工夫が必要だ。

車高調は街乗りも快適と評判のミラルダオリジナル。幾度とない開発テストを経てようやく完成したこのダンパーは、突き上げ感のない乗り味に生まれ変わると評判。仕様変更が重ねられており最新スペックの『タイプRS6』では、リヤに樽型スプリングを採用することで、よりしなやかな乗り味になった。。車高はやや高めがミラルダ流のセットアップだ。

リヤホイールはボルクレーシングTE37のオリジナルサイズ(9.5Jプラス28×17インチ)だ。

ミッションはHPI強化6速MTで、ロールケージも組み込まれる。スポーツ触媒付きのストリートスペックだが、普段乗り用のクルマも所有しているため、現在はナンバーを切っているそうだ。
レーシングスペック
トルク感+高回転!競技シーンで勝つためのメイキング

ミラルダのロゴが全面に貼り込まれたドリフト競技対応スペック。とはいえ、その作り込みはストリート仕様の延長線上といえる仕上がりだ。

エンジンは東名260度ハイカム+GCGタービン仕様。バルブスプリング強化が不要なソリッドタイプを選択し、ラッシュアジャスターを撤去。動弁系の軽量化によりレスポンスアップを図ると同時に、高回転時のロッカーアーム飛びを予防している。

高島さんの信念は、「ドリフトでは馬力がないとコントロールの幅が狭くなる。だからこそ、あるに越したことはない」というもの。その考えのもと、開発したのがGCGタービンのオリジナル仕様「GBC22-350」だ。下から上まで鋭く吹け上がる特性を狙いつつ、ウエストゲート制御で高回転域でのタレも抑制。純正サージタンク&スロットルのままでも400㎰近くを狙えるスペックとなっている。

インタークーラーはコアサポート内に中置きマウント。フォーミュラDジャパンのレギュレーションに対応したレインフォースも装着済みだ。


ミッションはHPI製6速。クラッチはATSのカーボンシングル。さらにアルミ製プロペラシャフトにより、アクセルレスポンスも鋭く仕上がっている。「駆動系への負担軽減も期待できます」と高島さん。ただし競技用だ。

LSDはATS製のカーボンタイプを推奨。滑らかに効くため、雨天時でもラインを狙いやすいそうだ。

足まわりはテインベースの試作車高調で、フロント単筒+リヤ別タンク付き複筒式の組み合わせ。減衰力を個別に調整でき、2025年中の製品化が予定されている。

さらにGT-R純正リヤナックルも流用。軽量・高剛性で足の動きが良くなり、トラクション性能がアップ。競技ユーザーに人気のメニューだ。
本気で走れる“ドリ車”を作りたいなら、ガレージミラルダに相談してみるべし!


どんなステージでも自在に走れるドリ車を目指すなら、ガレージミラルダのマシンメイクはきっと参考になるはず。これから180SXやシルビアオーナーは、ぜひ一度足を運んでみてほしい。
●取材協力:ガレージ ミラルダ 千葉県松戸市北松戸1-6-1-10 TEL:047-361-2422
【関連リンク】
ガレージミラルダ
http://www.miralda.net

