「1.5Lで800馬力!?」打倒タイプRを掲げるシビックSiのドラッグ仕様に迫る!【SEMA SHOW 2021】

ビッグシングルターボとNOSを武器に9秒入りを狙う!

あえて非タイプRで挑む男気溢れるフルチューン仕様

「Sí se puede」。これはスペイン語で「私達は成し遂げる」という意味の言葉であり、政治的なデモ参加者などが掲げるワードとして広く認知されている。

今回紹介するシビックSi(FC1型)は、そんな言葉の「Sí」とグレード名「Si」をかけて、ドラッグシーンでの打倒タイプRをコンセプトに進化を続けるチューンドだ。

エンジンはL15Bのままチューニング。排気量(1.5L)は変えずに、JEピストン製の鍛造ピストンや強化スリーブを組み込んで強化。そこにギャレットのG25-660タービンとNOSをセットし、HONDATAフラッシュプロによる綿密な制御で800psものパワーを引き出している。なお、燃料はアルコール系のE85だ。

ボンネットを突き抜け、最短距離で解放される排気パイプのレイアウトがインパクト抜群。ちなみに、同様のパワースペックを狙う場合「タイプR(FK8)のK20Cエンジンベースよりも費用を抑えることができるはず」とは、オーナーのニック。

ヘッドライトはフレッシュエアを効率よく取り込むために、アルミで形成されたダクトへとスイッチ。いかにもドラッグマシンらしいメイキングだ。

タイヤチョイスもFFドラッグマシンならではで、フロントにM&Hの15インチドラッグスリック、リヤに走行抵抗の少ないフロントランナーを装着。蹴り足よりも掻き手が強化されたこの独特のフォルムは、FFドラッガーならではの異形のカッコ良さだ。

サスペンションはHKSハイパーマックスドラッグを使用。市販品をそのまま使用しているそうだが、満足度は非常に高いという。

カスタムロールケージに覆われた飾り気の一切ない室内には、ACUITY製のシフターやスパルコのシートなど、ドラッグ仕様ならではの装備品が備わる。剥き出しのシフト類の側にNOSタンクが無造作に設置され、無骨さに拍車をかける。

ミッションは純正6速をベースに1、2、4速にPPG製の強化ギヤを導入して強化。これについては「本当はシーケンシャルにしたいけど、かなりの費用がかかるからね」とのこと。

オーナー兼ドライバーのニック

「現状のベストタイムは10秒7。当時は650馬力仕様だったから、今の仕様で早くアタックしたいよ!」と熱く語るニック。最終目標は9秒台。ニックとシビックSiの、タイプRキラーを誓ったチューニングストーリーはまだまだ終わらないのだ。

●取材イベント:SEMA SHOW 2021

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