「誰でも再現できる」がルール!
だからこそ意味がある、RE雨宮の実戦開発マシン!
全国のロータリーファンが集結した「絆ロータリーミーティング2025」。その会場に、RE雨宮が持ち込んだ1台のマシンがある。「シバタイヤ RE雨宮 RX-8」。今回紹介するのは、実戦を通じて開発が進められたこの1台だ。

「“ユーザーが真似できる仕様”と“RX-8のRENESISエンジン”という2つのルールを守りつつ、こだわって作り上げた車両です。筑波では、シバタイヤを履かせて蕎麦切選手のドライブで1分0秒2というタイムを記録しました」。そう語るのは、RE雨宮の大谷さんだ。

このマシンの最大の特徴は、徹底的な軽量化にある。ダッシュボードこそ純正のままだが、それ以外の内装はすべて撤去。ロールケージはあえて装着せず、補強は前後ストラットタワーバーのみにとどめるストイックな仕様だ。


ステアリングにはRE雨宮のDシェイプタイプを採用し、運転席には雨宮ロゴ入りのブリッドXERO、助手席にはブリッド・ストラディア3を装着。

さらにルーフはRE雨宮製のドライカーボン製に交換され、結果として車重は1170kgまで軽量化されている。これは純正比で約200kgのダウンに相当するというから恐れ入る。



エンジンはサイドポート拡大加工に加え、RE雨宮製の吸排気パーツを組み合わせたうえで純正ECUを書き換え。自然吸気ながら約270psを発生しており、300ps付近が限界とされるRENESISエンジンにおいて、出力と耐久性の絶妙なバランスを実現している。

足まわりには、エンドレスのZEALファンクション雨宮スペック(F:18kg/mm・R:12kg/mm)と呼ばれる別注の車高調をセット。一般的なRX-8用に比べてスプリングレートは高めだが、高速域で粘るサーキット向けのセッティングとなっている。


ブレーキはキャリパーこそ純正流用ながら、パッドとローターをエンドレス製に変更。ホイールはエンケイNT03RR(前後10.5J+25)に、シバタイヤR50(295/30-18)を前後通しで装着している。フェンダーはそれに合わせて鈑金加工され、自然なワイド感を実現。

フロントバンパーは2025年の新作で、RE雨宮が後期型RX-8向けに展開している「AD エイト FACER D1」シリーズの一部。開口部を控えめにしつつ、冷却性能と空力性能を両立したデザインに仕上がっている。

「D1GPでチームRE雨宮がシバタイヤを使うことになったタイミングで、“せっかくだし、うちのクルマに乗ってみない?”と雨さんから声をかけてもらったのがきっかけで、今回ドライバーを務めることになりました」とは、ドライバーの蕎麦切選手。
続けて「RE雨宮のみなさんと一緒に“筑波分切り”という目標に向かいながら、谷口さんのようにドリフトもグリップもこなせるマルチドライバーを目指して、自分自身も挑戦を続けています」と、意気込みを語ってくれた。

このRX-8に課せられたミッションは、シバタイヤ装着状態で筑波サーキットの1分切りを達成すること。そして、限りなく“ユーザー目線”に近い仕様のまま、RX-8というクルマの限界に挑むこと。
技術が進化した今だからこそ──RE雨宮は、RX-8に宿る可能性を改めて引き出そうとしている。
●取材協力:RE雨宮 千葉県富里市七栄439-10 TEL:0476-90-0007
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