「日本初の6ローターエンジン製作進行中!」お披露目は東京オートサロン2022か!?

13B×3=39B!? 3924ccの衝撃!

NAペリの900馬力オーバー仕様でドラッグレース参戦予定

ストリートチューンドはもちろん、ドラッグ仕様やタイムアタック車両の製作まで硬軟自在であらゆるニーズに応えてくれるロータリーチューンのエキスパートが、埼玉県所沢市の通称A-RFでお馴染みの“アニバーサリー レーシングファクトリー”だ。近年では、FD3SにウエーバーキャブやTWMスポーツインジェクションを装着したNA仕様など、他にはない個性的なアプローチでロータリーの魅力を探求していることでも知られている。

そんな名門チューナーが今、日本におけるロータリーチューニングの新たな扉を開こうとしている。それが、国内初となる6ローターNAユニットの開発である。

レシプロで言うところのクランクシャフトにあたるエキセントリックシャフト(エキセン)は、オーストラリアのビレットロータリー社が開発した製品を使用。これは、2つのロータージャーナル(ローターをはめる部分)を持つベースシャフトに、分割された4つのロータージャーナルパーツを合体させていく構造となっている。

アルミ削り出しのサイド&インターミディエイトハウジングも、ビレットロータリー社製だ。ローターとの摺動面は特殊合金製で、ハイブーストにも対応できる強度が持たされているそうだ。A-RF加藤代表いわく「アフターのビレットハウジングの中で、最も作りが良いものの一つ」だという。なお、今回はペリフェラルポートで使うため、サイドハウジングに吸気ポートは用意されていない。

ローターハウジングは、13B-REW純正をベースにしたペリフェラルポート仕様。水穴の加工に使う充填剤は定番のデブコン(金属補修剤)ではなく、独自のノウハウに基づいたものを使い、インマニフランジのサイズも汎用性の高いキャブレターフランジのピッチとしている。

フロント側のハウジングには、独自のドライサンプ機構を与えたオリジナルフロントカバーをセット予定。システム的には、かつてマツダスピードがスポーツキット(レース用部品)として販売していたパーツを参考に、現代の技術で進化させたものとなるようだ。

組み込むローターはFC3S輸出用の9.7高圧縮タイプだ。近年、13BのハイコンプNAチューンはRX-8用(圧縮比10:1)の軽量ローターを使うケースが多いのだが、6ローターでの使用にあたっては未知数の部分が多く十分なデータが無いため、今回は採用を見送ったという。

アペックスシールはA-RFオリジナルの1ピースカーボンを投入する。海外製と比べて耐久性が非常に高く、破断によるトラブルリスクも抑えることが可能とのこと。

スロットルはアメリカTWM社の水平対向6気筒ポルシェ用キットを流用。スロットル径は50φ、吸気管長はトルク重視で長めに設定する。

重要な制御系には、アニバーサリーが一押しするモーテックを採用。モデルは新型のM1を投入することも検討しているが、使い慣れているM800でいく線が濃厚だ。制御項目は多くないエンジンなので、制御ツールによる性能差はさほど大きくならないというのも理由の一つだ。

「搭載車両はユーノスコスモ。東京オートサロンで発表して、ドラッグレース等で戦いながら煮詰めていきたいと考えています。これを機に、膠着気味だったロータリーチューンの世界に、新しいブームが起これば良いなと思っています」とは加藤代表。ともあれ、アニバーサリーの探究心と想像力には舌を巻くばかりだ。

PHOTO:金子信敏
●取材協力:アニバーサリー 埼玉県所沢市城955-4 TEL:04-2946-0916

【関連リンク】
アニバーサリー レーシングファクトリー
http://a-rf.com/

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