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最新エアロパーツの効果を比較体験!
高機能パーツが生まれる生産現場にも潜入取材
ホンダ車用に数多くの製品を展開している“無限”。ディーラーオプションとしてホンダカーズ店舗で販売されるため、新車を購入すると同時に装着されるケースも多い。
S660用にも豊富な製品が展開されているが、なかでも注目すべきは2020年冬に発表された「カーボンパーツ」シリーズである。
カーボンエアロボンネット(49万5000円)はボンネット中央にエアアウトレットを配置し、ユーティリティボックス部をダイレクト化することで高いダウンフォースと排熱性を実現。カーボン化とユーティリティボックスレス化によって純正比マイナス8.5kgの軽量化を実現する。
ウイングステー部も含めて一体整形とされたのがカーボンリヤウイング(19万8000円)。カーボンエアロエンジンフード(44万円)は、表面がCFRPで裏面がFRPのハイブリッド構造となる。純正比マイナス4kgの軽量化が可能だ。
カーボンパーツ以外も、外装からインテリアまで豊富な製品ラインナップを誇る。
ハードトップ(27万2800円)はSMC成型によるFRP製で、アウターとインナー大きく2つのパーツから構成される。アウター面は艶ありブラック塗装仕上げ。純正のロック機構をそのまま使用するため装着もスムーズだ。
フロントエアロフェンダー(8万8000円)はFRP製で、スチール製の純正に対して左右で約1.2kgの軽量化。純正ドアのキャラクターラインを活かしたデザインが特徴だ。デモカーは後期型だが、ウインカー付きの前期型用フェンダーも用意されている。
この他、外装パーツはフロントエアロバンパー(純正塗装仕上げ:13万2000円)、フロントアンダースポイラー(純正塗装仕上げ:5万6100円)、カーボンフロントグリル(5万2800円)、サイドスポイラー(純正塗装仕上げ:9万9000円)、リヤエアロバンパー(12万1000円)が設定されている。
なお、カーボン製品はいずれもUVカットクリアコート塗装済みなので、購入後すぐの装着が可能な点も見逃せない。
ホイールは鍛造アルミの「FR8」(フロント用5.5Jプラス45×15インチ:6万6000円/リヤ用6.5Jプラス50×16インチ:7万1500円)。最新のデジタル解析でスポークの断面形状や本数が最適化された製品で、推奨タイヤサイズはフロント165/55R15、リヤ195/45R16。カラーはグラファイトガンメタリックのみとなる。
スポーク部分の上下をカーボン素材としつつ、左右に本革パンチングレザーを配したスポーツステアリング(8万9100円)。下部には無限ロゴも刻まれる。シフトノブ(1万9800円)はアルミニウム素材にドライカーボンを積層させた球形状。50φというサイズが手に馴染む。
最新のリクライニングバケットシート(近日発売予定)。表皮はオリジナルのスエード素材で、ヘッドレスト部分には無限のロゴが入る。着座位置が下がり、ヘッドクリアランスに余裕が生まれる。
無限製エアロパーツの効果は非装着車と比べると明らか。当日は2016年に発売された限定車「MUGEN RA」との比較となったが、ステアリングの動きに対するマシンの反応や走行安定性などの面において大きなアドバンテージを誇る。
無限のカーボンエアロボンネット製造現場に潜入!
1.カーボン生地から、エアロボンネットの型を切り出していく。カーボン生地の折り目の向きもこの時点で設定されている。
2.型にボンネット表面となる綾織のカーボン生地を貼り込んでいく。ここが仕上がり表面となるため、作業は緊張の連続だ。
3.エアロボンネット表面のカーボンは何枚かのパーツに分けられている。エアアウトレットに合わせた貼り込みも行われる。
4.この型にはゲルコートが塗布されており、綾織りの生地をしっかりと当て少し熱を加えることでズレずに貼ることができる。
6.細かな造形についても、ヘラなどの道具を使うことによりキッチリと型密着させる。これにより製品完成時のエッジ部分が鮮明になる。
7.表面に綾織の生地を貼り込み終えたら、続いて平織の少し厚めのカーボン生地を重ねて貼り込んでいく。
8.軽量化に貢献するカーボンボンネットだが、ヒンジ周辺のように剛性が求められる部分には生地を重ね、強度を高める構造となっている。
9.カーボン生地を貼り終わるとその上に薄紙とネットを貼り込み、樹脂が流れる隙間を作っていく。
10.型の周囲全周に渡ってチューブを貼り込んでいく。このチューブを介して樹脂が流れることとなる。
11.チューブまで貼り込みが終わった型の上にフィルムを掛けて、この周辺を型に密着させていく。
12.フィルムと型の間にある空気を抜いていき、カーボンの部分を真空状態に。
13.真空になったところに樹脂を投入。小さなバケツ一杯ほどの硬化剤が吸い上げられていく。
14.薄紫色の樹脂が染み込んでいくのが分かる。速度の違いはあるが、硬化剤は徐々に全面へと広がっていく。
15.仕上がりチェックの後、クリア塗装を重ねたカーボンボンネットの裏面にはFRP製フレームを装着して完成となる。
ディーラーでも取り扱われる無限製品は、一般的な社外製品よりも厳しい基準での開発と生産管理が必要となる。そのため生産現場は職人による熟練した作業の連続だ。
最新設備だからこそなせる緻密さと、匠の眼と腕による美しさと製品精度への拘り。これらを高次元で両立させた製品だからこそ、無限製エアロパーツは多くのオーナー達に支持され続けるのである。
●問い合わせ:M-TEC TEL:048-462-3131
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