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筑波1分切り目前のHKSワークス仕様の全貌
ワイドボディキットは東京オートサロンで詳細発表予定!
本格的なデリバリーが開始され、いよいよ幕を開けたGR86/BRZチューニング。そんな中、日本が世界に誇るパーツメーカー“HKS”が早くもGR86ベースのワークスカーに独自のチューニングを施し、筑波サーキット2000でのタイムアタック(12月28日)を敢行した。
結果は強烈で、1分の壁に迫る1分01秒286という好タイムをマークしたのである。もちろん、この記録はGR86/BRZ最速だ。
ドライバーの谷口信輝選手によると、このタイムは暫定的なサスセッティングで出したもので、決してベストな状態ではなかったとのこと。万全の状態ならば0秒台は狙えたはずと強く語っている。
現状の仕様をチェックしていくと、エンジン本体には手を入れず吸排気環境を自社の市販パーツで最適化。ECUも純正のため、完全に市販ライトチューンの領域だ。
「インテークは様々なタイプをテスト中ですが、形状によっては馬力が落ちてしまうんです。かなりシビアなので、開発も力を入れています。今回は純正交換タイプのスーパーパワーフィルター仕様ですね」とのこと。
エキゾースト環境は、スーパーマニホールドRスペック(プロトタイプ)からハイパワースペックLIIマフラー(販売中)へと繋がる合法レイアウト。どちらも、2.4L化に合わせて全てが見直された新規設計モデルだ。
足回りは、全長調整式の車高調“ハイパーマックスS”を軸に構築。スプリングレートや減衰設定は、まだテスト段階で煮詰めている最中とのこと。アームやスタビなどは純正のままだ。ホイールはアドバンレーシングGTビヨンド、ブレーキはエンドレスのキャリパーシステムを前後に奢る。
前後295/35R18サイズのアドバンA050(GSコンパウンド)を収めるために、エクステリアはHKSオリジナルのワイドボディシステムでフル武装。フェンダーの拡幅は40mm(片側)の設定で、キット販売の予定もあるそうだ。
リヤには大型のGTウイングを装備。強烈なダウンフォースに負けないよう、マウントステーはトランク貫通で補強バーと接合される。
一方の室内は、サーキットスペックらしくアンダーコートまで剥がしたドンガラのワンシーター仕様だ。内装パーツは撤去した上で、バッテリーも小型化。これにより、車重は純正から100kgほど絞り込まれている。
「タイヤのトレッド面を見ると、まだ295サイズを使い切れていない状態でした。アーム交換まで視野に入れたサスセッティングが必要でしょうね。このワイドボディ仕様のGR86は東京オートサロン2022に展示します。新作パーツも多数発表しますので、ぜひブースにお越しください!」とはHKS広報の近藤さん。
パワースペックがほぼノーマルという事を考えると、筑波1分の壁を陥落させるのはもはや時間の問題だ。HKSでは、今後も新世代FRスポーツの特性検証を続けながらパフォーマンスアップに必要なパーツの開発を進めていくそうなので、その進捗に注目していきたい。
PHOTO:金子信敏
●取材協力:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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