「トヨタiQのリヤにニンジャZX-14Rのエンジンを搭載!?」強烈すぎるチョロQ風ミニGRヤリスの衝撃【東京オートサロン2022】

iQベースで全長約3メートルに短縮!

GRヤリスのリヤメンバーを移植してRR化

今回紹介する『YARIS Jr』は、学生カスタム史に残る傑作と言えるかもしれない。製作したのは、埼玉自動車大学校。全長約3メートルのトヨタiQに、GRヤリスのエクステリアをフル移植した魔改造スペックだ。

まさに“ミニGRヤリス”というノリなのだが、可愛いのは見た目だけで、中身は全然可愛くないのがこのiQの特徴でもある。リヤハッチを覗くと、何とそこにはカワサキ・ニンジャZX-14R(1400cc)のパワーユニットがRRレイアウトで換装されているのだ。

駆動伝達は、エンジン側のスプロケをそのまま使ったチェーン駆動。リヤサスペンションはメンバーごと4WDのGRヤリス用を移植、デフとドライブシャフトも同様だ。リヤデフのリングギヤの部分を代わりのスプロケとし、横置きエンジンから2本のチェーンを介することでリヤタイヤへ駆動を伝えるRRレイアウトを実現している。

ちなみに、GRヤリスのリヤメンバーはフロア側に取り付け部を溶接して合体している。これによりサスペンション形式はダブルウィッシュボーン(iQはトーションビーム)となり、限界性能が大幅にアップ。意外にも、サスタワーの位置は変更せずにGRヤリス用の車高調を取り付けできたそう。

また、後述の通りエクステリアはGRヤリスのデザインに合わせて変更されているため、車幅の問題も難なくクリアできている。

エキゾーストマフラーは、ワンオフサイレンサーとともにクォーターウインドウガラスから左右に排出。レイアウト上、吸気効率や冷却面がかなり厳しそうだが、その辺りは今後実走テストを繰り返しながら解決に望んでいくとのこと。

インパネはニンジャの純正メーターを活かし、ダッシュボードに埋め込むタイプの一体型としてリメイク。イグニッションキーもZX-14R用を使うなど、遊び心溢れるインテリアメイクだ。

シフト操作はラテラルロッドを流用して製作したリンケージを介するIパターン式となっている。残念ながらバックギヤの実装は間に合わず、これから機構も含めて手段を考えていくそうだ。

本来エンジンが搭載されているボンネット内には、行き場を失った燃料タンク(安全タンク)が鎮座する。

一方のエクステリアもかなり本格的な仕上がりだ。フロントバンパーは、そのままGRヤリス用を移植するとオーバーハングが長く違和感が生じてしまうため、アーチ部を前側へオフセットするように短縮加工。ボディカラーはGRヤリスのエモーショナルレッドIIだ。

全幅はGRヤリスのバンパーを基準とし、フェンダーをGRヤリスとiQのニコイチでリメイク。ワイド感を損なわないよう、造形にはかなり苦労したそうだ。

ボンネットおよびヘッドライトもGRヤリス純正を使う。ボンネットの移植についてはiQのサイズに合わせて長さを詰めた上、ヒンジをワンオフ製作して対応している。

サイドステップもGRヤリス用を短縮加工して採用。そこからリヤバンパーへと繋がるワイドフェンダーは完全なワンオフだ。

ハッチバックのパネルはiQのままで、裏側を見ると移植したGRヤリスのテールランプに合わせるための加工跡が伺える。

製作の苦労という点では、フェンダーを中心とした鈑金作業の方がエンジンスワップよりも大変だったと話す埼玉自動車大学校の学生達。「学生が作ったからこんなものか」と思われることのないよう、細部のチリ合わせまで妥協することなく作り込んだそうだ。

今後は本格的なサーキット走行へ向けて、各部の熟成を続けていくとのこと。GRヤリスの皮をかぶった超高回転型エンジン仕様のiQ、是非とも試乗インプレッションしてみたいものだ。

●取材協力:埼玉自動車大学校 埼玉県北足立郡伊奈町小室1123 TEL:048-723-5522

【関連リンク】
埼玉自動車大学校
https://www.saijidai.ac.jp/

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