「伝説のニュージーランド最高速アタックを振り返るPart.1」悪路に雨に強風・・・命がけのアクセル全開劇場!

1999年11月、公道最速を目指したチューナー達の戦いをプレイバック

ウエット路面+強風の中での最高速アタック!

1999年11月、ニュージーランドの公道最高速レース『ラリーニュージーランド1999』に挑んだ日本のトップチューナー達。公道を閉鎖して行われるこの競技、現地へ行ってみると路面は“うねり”があって100キロでもハンドルを取られてしまうレベル。しかもアタック当日は、小雨+強風という最悪のコンディションだったのだ。

正直、まともにアタックできるような状況ではなかったが、ジャパニーズチューンドの性能とチューナー達の想いを背負ったDaiこと稲田大二郎は、アクセルを踏み続けたのだ。「あんなにヤバイと思ったのは後にも先にもないな」と本人は笑いながら後に語っているが、そんな命がけの最高速アタック劇場、パート1となる今回は全7台のアタック車両のうち3台を紹介していく。(オプション誌2000年2月号より抜粋)

H.R.F V300ロードスター

小野ビット瞬間値:276.0km/h

スターレットやロードスターという軽量マシンの最高速に拘るH.R.F。今回はロードスターに空力の良いエアロを組み、国内テストでも十分な結果を得ていた車両を持ち込んだ。

エンジンはBPベースで1800ccのままK27-HHBタービンを組んで500psまでドーピング。ライトウエイトボディには十分すぎるパワーだ。しかし、その軽さが仇となり、ウェットかつ強風というバッドコンディションの前に「フロントが浮き気味、マシンも流れてコントロールが難しい」と稲田。絶えずステアリングを左右に切っていないと、まともに走ることができないのだ。

そこで、50kgのウエイトを積んだ上でアライメントも再調整して再アタックを敢行。300km/hという目標値には届かなかったが、276km/hという記録をマークした。

リコーレーシング アリストV300

小野ビット瞬間値:274.8km/h

4ドアセダンの可能性を追求するリコーレーシングは、AT仕様のアリスト(JZS161)で参戦。船積みギリギリまでオートマのトラブルシュートを行い、なんとかアタック本番に間に合わせたという状況だ。

しかし、2JZ-GETにK5タービンをドッキングさせた600ps仕様のパワーユニットはすでに完成の域に達しており、テスト段階でいきなりメーター読み290km/hをマーク。

320km/hも夢ではないとされたが、本番アタックでスピードが伸びず274.8km/h止まり。稲田は「ATがきちんと作動せず、4速以上に入ってなかったと思う」とコメント。その後、セッティングを見直して再アタックするも、今度はガスケット抜けが発生。最後まで運に見放され続けたリコーレーシングであった。(※リコーレーシングは現在閉店しています)

トップシークレット GT仕様80スープラ 

小野ビット瞬間値:290.4km/h

オリジナルのワイドボディキットで身を包んだトップシークレットのJZA80スープラ。スモーキー永田が“GTマシンをストリートに”というテーマで開発したスーパーチューンドだ。

エンジンはGTマシン同様、3S-GTEに換装。2.2L化した腰下にT88-34Dタービンを組み合わせて650psオーバーを発揮する。一発目のアタックではブースト圧が安定せず(瞬間的に3.0キロ掛かってしまう)、290.4km/h止まり。

その後、ウエストゲートの調整やブーストコントローラーの再セットを行ったが、症状の改善は見られず。「車体は安定しているし、中間加速も凄い。ブーストが安定すればなぁ」としきりに残念がる稲田だったが、現地でセットアップできることはもう無いとの判断でこの結果となった。

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