「熟成期間はなんと9年!」JZX100マークIIドリフトスペックの極致【東京オートサロン2022】

2021シーズンはシリーズ6位を獲得!

トラブル→対策を繰り返して徐々に乗りやすい仕様に

効果的なクーリングパーツを展開する“コーヨーラド”のブースに展示されていたのは、フォーミュラDジャパンで活躍中の深田真弘(ふかだ ただひろ)選手が駆るJZX100型マークIIだ。

深田選手は、フォーミュラDジャパン初年度(2014年)から参戦し続けている最古参。プライベーターながら、最高成績は3位、シリーズ5位の実績を持つトップドリフターだ。その愛機は、約9年という長い年月を費やしてコツコツと進化させてきたマシンというから恐れ入る。

心臓部は2JZ-GTEがベース。内部にHKSのキャパシティアップグレードキットやハイカムを組んだ3.4Lのフルチューンスペックだ。パワートレインは、ORCのクラッチにOS技研のOS88シーケンシャルミッションという構成。

タービンはレスポンス重視でHKSのGT3-4Rをセレクト。マネージメントはF-CON Vプロ3.4が担い、ブースト1.8キロ時に最高出力750ps、最大トルク95kgmを絞り出している。

20年以上も前のベース車ということもあり、エンジンハーネスは2021シーズン途中で一新。今シーズン中には室内側のハーネスも引き直す予定とのこと。

冷却系はコーヨーラド製のワンオフ品で統一。グリル部には大容量のオイルクーラーが、バンパーダクト部にはインタークーラーが配置される。

また、トランク部分にはコーヨーラドの最新モデルとなるUフロー式のラジエターを搭載。走行風の経路も考慮されており「水温で悩むことがなくなりましたね。車重は重いほうなんですが、バランスが良くなってシルビア的な動きに近づきましたよ」と深田選手。

車高調はタナベのサスティックプロをベースにした深田スペシャルだ。スプリングレートはフロント22kg/mmのリヤ6kg/mmが基準値。ドリフトに重要な切れ角は、ゼグラスのタイプIIナックルおよび風間オートの35mm延長ロアアームで限界まで増大させている。

リヤは各部を強化したサスメンバーをリジットマウント。定番のクイックチェンジは装着されておらず、ファイナルギヤを変更する際は、TRDのLSDが組まれたデフケースごと交換するそうだ。

ホイールはSSRのプロフェッサーSP-X(F9.5J×18インチ R10.5J×19インチ)で、タイヤはダンロップのディレッツァZIII(F265/35-18 R275/35-19)という組み合わせとなる。

エクステリアは、ユーラスのタイプGTエアロに伊藤オートサービスの前後フェンダーをドッキング。カラーリングは、深田選手のトレードマークとも言うべきブルー&シルバーのツートン仕様だ。

ウエルドのスペシャルロールケージを張り巡らせた車内はレーシーそのもの。ダッシュボードはTMSのFRP製で、そこにデフィのメーター類をレイアウト。シートは運転席側がブリッドのガルディスIIIで助手席側がジータIII。ステアリングハンドルはMOMOのドリフティングを愛用する。

リヤシート部にはGDBインプレッサスペックCのウォータースプレータンクをマウント。以前はこれを使っても油温&水温で悩まされていたが、リヤラジエター化してからはそれも解消されたそうだ。

「本当はハコ替えしたいんですけど、貧乏なプライベーターだし、4ドア車のイメージも付いているので…。2022年もマークIIで頂点を目指していきますよ!」と意気込む深田選手。

開幕戦は4月22日(金)〜24日(日)の鈴鹿ツインサーキット。深田選手が一体どんな走りを披露してくれるのか、期待が高まるばかりだ。

TEXT&PHOTO:山本 大介(Daisuke YAMAMOTO)
●取材協力:コーヨーラド TEL:052-322-5221

【関連サイト】
コーヨーラド
http://www.koyorad.co.jp

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