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違いの分かる男“ターザン山田”が本気で実走チェック!
ファーストチューニングの定番”マフラー交換”の効果を検証
昔も今も変わらずにチューニングの基本であり、欠かせない要素の一つがマフラー交換。長年に渡り、その開発に携わってきているHKSが追求するのは、言うまでもなくチューニングパーツとしてのパフォーマンスだ。
しかし、ユーザーの多様化やベースマシンの進化、さらには法規の改正などにより、開発をめぐる環境は年々厳しさを増してきている。では、現代のスポーツカーにとってマフラー交換はどんな意味をもたらすのだろうか。かつてのようなパフォーマンスアップは可能なのか?
となれば、論より証拠、百聞は一見にしかず…。HKS完全協力の下、アフターマフラーの実力チェックを行おうというのがこの企画のテーマだ。
茂原ツインサーキットに持ち込んだテスト車両は、HKSデモカーのZC33Sスイフトスポーツ。タービンがボルトオンタイプのGTIII-FXに変更されたハイパフォーマンス仕様となる。
テスト内容は、1台の車両で純正マフラーとリニューアル直後の『ハイパワースペックLII』を付け替えながら、それぞれのタイムを計測するというもの。流れは、ノーマルマフラー仕様→ハイパワースペックLII仕様となるが、総合的なチューニングの効能を知る意味で、最後にハイパワースペックLII+フラッシュエディターのブーストアップ仕様もタイム計測を行うことにした。
ドライバーを務めるのはご存知ターザン山田。マフラーやセッティングの差によるフィーリングの変化を明らかにする。
テスト1:ノーマルマフラー仕様(ベストタイム:53秒681)
「ZC33Sにはたくさん乗ってきたけど、ノーマルマフラー仕様はこれが初体験。これだけ静かだとサーキット走行でのシフトタイミングを掴みにくい。パワー特性はフラットだけど、GTIII-FXタービンとの組み合わせだと正直フン詰まり感があるね」と語るターザン山田。この結果を基準として、エキゾーストチューニングの効果を検証していく。
テスト2:HKSハイパワースペックLIIマフラー仕様(ベストタイム:53秒281)
マフラーのみ交換した状態を試乗したターザン山田は「レーシングサウンドってほどバリバリに主張してくるわけじゃないけど、気持ち良いスポーツサウンドだ。ノーマルでは詰まり気味だった高回転域のフィーリングも解消されたし、上での伸びをハッキリと感じることができる。ちゃんとタービンの性能を引き出せている感じがするよ」とインプレッション。
テスト3:ハイパワースペックLII+フラッシュエディター(ベストタイム:52秒688)
最後のテストは、HKS謹製のフラッシュエディターを組み合わせたブーストアップ仕様。GTIII-FXタービン用のプリセットデータをそのまま使って、最大ブースト圧をノーマルの約1.0キロから1.4キロまでアップ。レブリミットも6000rpmから6300rpmへと引き上げられている。この仕様での最高出力は186ps&30.5kgm。
ちなみに、フラッシュエディターのノーマルタービン用ブーストアップデータでは、159ps&28.1kgmまでパワー増強が可能だ。
「パワー感が別物。ただ、直線での加速は文句無しなんだけど、今回のテストコースのようなタイトコーナーが連続する場面では、立ち上がりのアクセルオンでホイールスピンしちゃって大変。このパワーをグリップに活かせるセットアップが決まれば、まだまだタイム差は広がるはず。幅広いパワーバンドは、街乗りなどでも扱いやすいと思うよ」とはターザン山田。
マフラー交換の恩恵は計り知れない
パワーアップが難しいと言われている今時のスポーツモデルでも、確実な効果が確認できたマフラー交換。ドレスアップ要素として軽んじるユーザーも多いが、それが与える性能への影響はかなり大きいのである。
●取材協力:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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