「ER34スカイラインでここまでやる!?」R34マニアが作り上げた珠玉のGT-R仕様

GT-R以上にGT-Rらしい!?

細部に至るまで散りばめられたワンオフメイクが光る

BNR34とER34の2台体制(取材当時)でチューニングカーライフを楽しんでいるというオーナー。今回ピックアップするのはER34の方で、各部にGT-R用パーツを与えながら個性を演出したオンリーワンのスーパーチューンドだ。

エクステリアはリヤクォーターをBNR34純正パネルへと交換することでGT-Rフェンダー化しつつ、ニスモZ-tuneのエアロパーツをフル投入。完全なるGT-R仕様を構築している。

Z-tuneフェンダー化されたR34は多いが、この車両はR35GT-Rのフェンダーエンブレムとダクトを加工装着。オリジナリティの演出も忘れていないのだ。

純正サンルーフもチャームポイント。BNR34では設定がなかった装備だけに、この車両がER34ベースであることを物語る数少ないパートと言える。

ブレーキはR35GT-Rの2017年モデル純正品を前後に投入。ホイールは19インチのニスモLM-GT4(10.5J+15)をセットしている。

エンジンは定番のRB26DETTスワップではなく、RB25DETベース。千葉県のテクノスレーシングの手により、東名パワード特注87φピストンやJUNのI断面コンロッドなどが組み込まれたレスポンス重視の2.7L仕様で、ヘッドもHKS製の272度ハイカムの投入を軸にキッチリと手が入る。

組み合わせるタービンはウエストゲート式のギャレットGTX-3582R Gen.IIで、最大ブースト1.8キロ時に680ps&80kgmを絞り出す。制御はLINK(フルコン)のG4Xで行われており、始動性やアイドリング領域の安定性を求めて電子制御スロットル(レクサスRC F純正を流用)化も敢行している。

インテリアメイキングも凄まじい。エクステリアに合わせて、シートから内装パネルにいたる全てのパートをブルー×ホワイトの2トーン(一部ブラック)で張り替えているのだ。

シートはインテリアカスタムの名門“ロブソンレザー”の手によるものだが、その他の箇所は基本的にオーナー自らが作業したというから恐れ入る。

なお、撮影はオーナーが主催を務めるR34スカイラインイベント“AREA34”の会場で行ったが、ER34の横には同オーナーが所有するBNR34も展示されていた。こちらも全方位に手が入った580psの快速ストリート仕様となっており、R34スカイラインに対するオーナーの強い拘りと情熱が感じられた。

ある種の聖域と捉えるオーナーが多いだけに、“GT-R仕様”という存在は今も昔も賛否両方の声が多い。しかし、このER34を前に否定的な意見を唱える者は少ないはず。日本屈指のR34スカイラインマニアによる作品は、GT-R以上の魅力と存在感を放っているのだから。

PHOTO:土屋勇人(Hayato TSUCHIYA)
●取材イベント:AREA34

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