「ついに300km/hの大台突破!」スカイライン400Rの潜在能力が高すぎる・・・

ハーフウエットで300km/h突破は凄すぎ!

400Rで得られたノウハウは新型Zにもフル投入予定

その瞬間、ピットエリアが歓喜に湧いた。2022年2月11日、RH9が行なった高速周回路での最高速テストにおいて、“フェニックパワー”のRV37型スカイライン400Rが300km/hの大台をついに突破したのだ。

チャレンジ開始から実に1年9ヵ月。思い返せば、ブーストアップ&リヤマフラー変更で臨んだファーストアタックで280km/hを記録した時には、正直なところ、あっさりと大台を突破するだろうと考えていた。しかし、思い通りには進まないのが最高速の世界。

アップデートを重ねながら最高速アタックを続けるも、280.51(1回目)→299.5km/h(2回目)→293.461km/h(3回目)と、300km/hの壁に阻まれ続けたのだ。

改めてマシンスペックを解説すると、エンジンは高回転までパワーが追従するGCG製ハイフロータービンで武装した556.6ps&79.52kgm仕様だ。水冷式インタークーラーの弱点である吸気温度上昇に対応するべく、大容量ヒートエクスチェンジャーを導入しているのもポイントと言える。

ハイブースト領域で発生するバックタービン現象を防ぐために、インテークにはブローオフバルブを組み込んだサクションパイプをインストール。こちらはフェニックスパワーで製品化されているアイテムだ。

エキゾースト環境は、トラストのキャタライザーとパワーエクストリームRマフラーで統一。キャタライザー導入の効果は非常に大きく、ピークで40ps近い出力向上を実現したというから恐れ入る。もちろん完全車検対応スペックだ。

エンジンマネージメントは、独自のECUチューン(アプリケーションCPU)で対応。

「ECUにはタービン回転などのパラメーターもあって、一筋縄ではいかない部分がありましたね。現在はテスト的にGCGのタービンを装着していますが、正直、ブーストアップで十分です(笑)。500psオーバーが簡単に狙えますからね」とは横山代表。

超高速域での挙動を安定させるために、2回目のアタック直前にエアロパーツを投入。フロント、サイド、リヤのアンダースポイラーはフェニックスパワーのオリジナルで、トランクスポイラーはブリッツ製となる。

ホイールはR35GT-Rフロント用サイズ(9.5J×20+40)のBBS LMだ。タイヤには前後275/30-20サイズのアドバンスポーツをセットしている。

サスペンションはアラゴスタのタイプS車高調を軸に構築。スプリングは様々なレートを試し、現在はフロント18kg/mm、リヤ14kgmmの設定となっている。デフにはトルセンタイプの海外製LSDを組み込んでいるが、これはバンク全域での安定性向上を狙ったチョイスだ。

こうして万全の状態で臨んだ4回目のアタック。雨が残るコンディションの中、見事に302.73km/hという大記録をマークしたのだ。

ドライバーを務めた稲田大二郎は「やっと出たね。スプリングレートのアップとLSDの導入が効いていて、凄く安定感が増した。高回転のフィーリングは気持ち良いの一言で、300km/hまでストレスなくスムーズに回ってくれたし、久々に感心しちゃったよ(笑) 」とコメント。

フェニックスパワーの400Rによる最高速アタック第一章はこれにて閉幕。この経験を基に、同じパワーユニットを搭載する新型フェアレディZの発売開始を待ち、第二章へと突入するつもりだという。次なる目標は200マイルか、それともモアパワーか。フェニックスパワーの新たな戦いの幕開けに期待しよう。

●取材協力:フェニックスパワー福井店 福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店 京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157

【関連リンク】
フェニックスパワー
http://www.phoenixs.co.jp

キーワードで検索する

著者プロフィール

weboption 近影

weboption