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10年以上の歳月をかけて自分仕様にモディファイ!
ドリフトのしやすさと街乗りの快適性を両立
このS15シルビアのオーナーは女性だ。19歳の時にワンオーナーのオーテックバージョン(2002年式)を購入、以来、“快適に街乗りもできるドリ車”として、コツコツと10年以上の歳月をかけてモディファイを続けてきたそうだ。
外装色は「他人がやってなくて、落ち着いた色で、ぶつけた時も調色しやすい」という条件から、JZX100純正のダークブルーをベースにガラスフレークを追加してギラギラ感を演出。7年前に全塗装したもののクリヤが剥げてきたため、2020年の4月に塗り直しているそうだ。
なお、サイドステップは純正オプションでリヤバンパーはヤシオファクトリー、ルーフスポイラーはスーパーメイドで、リヤスポイラーはノーブランド品、テールレンズは87ワークス製をセレクト。フェンダーはフロントのみGPスポーツの20mmワイドに交換されており、リヤフェンダーは爪折り加工が施されている。
フロントバンパーは純正オプションの形状が再現されたノーブランド品で、そこにステージ21のリップスポイラーを組み合わせる。ボンネットはスーパーメイドの純正形状FRP製だ。
個性的なヘッドライトはカラ割りして内部にLEDリングとチューブを追加し、オレンジの部分以外をブラックアウト。さらにアイラインを追加したことで精悍さが増している。ちなみに、この時に追加したオレンジが差し色の始まりで、以降は徐々にその部分を増やしていったのだそうだ。
ホイールはヴァリノタイヤがアドヴァンディレーシングホイールとコラボして製品化した“武将N832”で、サイズは前後とも17インチの9.0Jプラマイ0。そして表面のグロスブラックはそのままに、アルミ地の見えていた部分をマスキングしてオレンジにペイント。依頼したショップには「超めんどいから二度とやりたくない」と言われたそうな…。
組み合わせるタイヤは、フロントが215/40-17のATRスポーツIIでリヤが205/40-17のピンソ。ドリフト時はリヤのみ同サイズのケンダカイザーKR20に履き替える。
足回りはGPスポーツのGマスターを軸に構築。ドリフトに重要な切れ角アップは、T.C.L.Sのオリジナルナックルとイケヤフォーミュラのタイロッドにて行っている。その他、T.C.L.Sの25mm延長ロアアームとTEINの強化タイロッドエンド、オリジンのテンションロッドを組み込んで、ドリフトに適したセットアップを追求。
元々、カタログスペックで200ps出ているオーテックバージョンということで、SR20DEエンジンはアペックスのパワーインテークにARCのインテークチャンバー、トップワンオリジナルマフラーといった吸排気パーツ中心のチューニングで留めている。
外装と同じくオレンジを差し色に使って内装もドレスアップ。ステアリングハンドルとシートは、ドリフトやラリーで活躍している水原亜利沙選手がプロデュースしたクレセントブランドの製品。追加メーターはエアコンの吹き出し口にオートゲージの水温、湯温、油圧計をインストールし、ステアリングコラム上に岡ちゃんウォーターテンプを装着している。
「長く乗り続ける予定だからボディを捩れさせたくなくて…」と、この取材の直前に、バージョンアップしたサイトウロールケージのダッシュ貫通タイプの7点式を装着。従来品とはリヤバーの落とし込み箇所が異なっており、タイヤハウスではなくリヤのストラットタワーに変更されているそうだ。
思わず見惚れてしまうほどの均整の取れたプロポーションを有するS15シルビア。オーナーは今後も少しずつモディファイを重ねながら、シルビアと長く付き合っていきたいと語ってくれた。
PHOTO&TEXT:Daisuke YAMAMOTO