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さながら競技車のような戦闘力!
ハイフロータービン+モーテック制御で360馬力を発揮
モータースポーツへの積極的な参戦で得られたデータをフィードバックし、GRヤリスチューニングのトップランナーとして知られるクスコ。
過酷な環境を通じて徹底的にテストしながら生み出される同社のパーツ群は、「自分達が必要とするものを、自分達が使って満足するクオリティで製作する」をテーマとして、独自の“クスコクオリティ”を追求している。
今回紹介するのは、RCグレードがベースの車検対応タイムアタック仕様だ。ノーマルの特性を生かしながら秘められたポテンシャルをフルに引き出すことをコンセプトとしていて、2021年末のレブスピード筑波スーパーバトルでは1分01秒306を記録している。
まず注目したいのは、スポーツ走行のための基本アイテムとも言える車高調整式のサスペンションだ。数あるラインナップの中から選択されたのは、本格的なスポーツ走行に対応する2ウェイ減衰調整(伸圧各24段)機構装備の単筒式ダンパー採用のクスコスポーツTN_Rだ。フロントスプリングは標準設定の11kg/mmに対し、14kg/mmを装着。
リヤスプリングも標準設定の14kg/mmから24kg/mmへと大幅にレートアップ。調整式アーム類の他、ブッシュもピロボール化し、正確なサスペンション作動を実現している。
エンジンルームはノーマル然としているが、マネージメントをモーテック製フルコンへとスイッチ。タイムアタック時にはタービンもハイフロースペックに変更して360psを獲得していたが、現在は低速トルク重視のノーマルタービン仕様としている。エキゾーストマフラーはフジツボのオーソライズRだ。
ボディの歪みやねじれを抑制する補強パーツもクスコの得意とするところ。テスト車には基本のストラットタワーバーの他、フロントメンバーやリヤエンド、シートレールにパワーブレースを装着して締め上げている。
パワーをフルに路面に伝えるためのポイントとなるのが4WDシステムのセットアップで、前後の機械式LSDとともに英国サイベックス社製のAWDコントローラーも導入。マップ制御に加え、ダイヤル式のコントローラで走行中の微調整も可能だ。
ホイール&タイヤは、プロドライブGC-05N(FR9.5J+38)にポテンザRE-12DタイプA(FR265/35R18)の組み合わせだ。
フルバケットシートとステアリングが変更されたインテリアは、内装類フル装備で軽量化も行われていない。ヒール&トゥのしやすさを追求したスポーツアクセルペダルと、ジュラコン製のスポーツシフトノブもスポーツ走行には欠かせないパーツだ。
このチューンドを試乗した飯田章選手は「楽しい!まるで競技車のような挙動で、舐めてかかるとヤバイよ。さすがストリートから競技にまで精通したクスコという感じで、やる気にさせるマシンに仕上がっていたよ」と大絶賛。
クスコでは今後もさらに研究を重ね、性能に直結する高機能パーツを続々とラインナップ予定とのことだから期待したい。
●取材協力:キャロッセ TEL:027-352-3578
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