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メインECUチューニングも進行中
1.6Lベースとは思えないほどの推進力を発揮!
最新スポーツモデルのパワーチューニングを徹底追求し、速さの限界領域を切り拓き続ける老舗“フェニックスパワー”。GRヤリスもデモカーを導入してその可能性を探っており、『ユーザー目線のストリート仕様』をテーマに各部のブラッシュアップを続けている。
現在のパワースペックは完全なブーストアップ仕様だ。エンジン本体&タービンには手を入れず、ドイツDTEシステム製のパワーコントロールRXを投入。これは、エアフロセンサー/カム角センサー/インマニ圧それぞれに配線を割り込ませるタイプのサブコン。7段階のパワーモードがあらかじめプリセットされており、最大値では320ps(最大ブースト圧1.7キロ)が狙えるそうだ。
この他、同社のスロットルコントローラーとHKSのSLD(スピード・リミット・ディフェンサー)もインストール済みだ。
吸気系は、イギリスのイベンチュリ社が販売するインテークシステムで効率アップを狙う。美しいカーボンボディがエンジンルームをメカニカルに演出する。
大容量インタークーラーとターンフロー式のオイルクーラーはどちらもHKSの製品。バンパー開口部から覗く上下のコアがチューンド指数を高める。
エキゾースト環境は、アペックスのスーパーキャタライザーからN1エボリューションエクストリームマフラーに繋がる完全合法レイアウト。
足回りはアラゴスタのタイプS車高調でセットアップ。スプリングレートは前後14kg/mmの暫定仕様だ。
ホイールはBBSのRE-V(9.0J×19+40)で、タイヤにはアドバンネオバAD08R(255/30-19)を組み合わせる。ブレーキは現状ノーマルだ。
エアロパーツは全て純正だが、取り付け部の支持剛性に不安があったため、パラシュート効果で脱落の危険があるリヤバンパーは補強ステーを追加している。
城里テストセンターで行なった最高速アタックでは、高ブーストでチェックランプが点灯するなどのトラブルはあったものの、最終的には252.12km/hをマーク! 1.6Lベースと考えれば十分すぎる記録だ。
ドライバーを務めた稲田大二郎も「トップエンドは流石に厳しいけど、6速でストレスなく250km/hは超えるな。中間加速が気持ち良いし、安定感もある。ここから最高速を伸ばそうと思うと大変だろうが、評判通りのホットハッチで楽しいクルマだったよ」とコメント。
「メインECUの解析も進めていますが、4WD制御まで絡んでくるので、少し時間がかかりそうです。今回の仕様は、GRヤリスのポテンシャルを探るためのファーストステップという感じですが、良い記録が出たと思ってます」とは、フェニックスパワー横山代表。
フェニックスパワーでは今後もGRヤリスチューニングを進めていき、最終的にはビッグタービン仕様も視野に入れている。果たしてどんな展開になるのか、大いに期待しよう。
PHOTO:金子信敏/近藤浩之/堤晋一
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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