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20年前からタイムスリップしてきたかのような当時感!
弱冠21歳のオーナーが作り上げたドリフト仕様
ドリフトベースとして未だ一線級の人気を誇る歴代シルビア。新開発のパーツも次々と市場に投入され、常にアップデートを行える楽しみもあるが、絶版車らしい“当時感”を演出できるのも大きな魅力だ。
今回紹介するワンビアのオーナーは完全に後者で、2000年代初期の走り屋スタイルに影響を受けたマシンメイクを行なっている。
エアロパーツはGPスポーツ製で統一。サイドステップとリヤバンパーは、現在では廃盤となっているS13用のGソニックタイプRを投入し、当時らしい雰囲気を演出。
フェンダーはフロントがワンオフの25mmワイド、リヤにはロケットバニー製の30mmワイドを投入することによって適度なボリューム感のボディラインへと仕上げられている。ちなみに、ボディカラーはダイハツの純正“ディープブルークリスタルマイカ”だ。
ホイールは価格が高騰している絶版モデルのブリッツBRW03の17インチを前後にセット。サスペンションは326パワーのチャクリキダンパー(F16kg/mm R10kg/mm)で、アーム類はフロントにカザマオート製の30mm延長ロアアーム、リヤにクスコのアッパーアームとトーコントロールアームを装着している。かなりのシャコタンスタイルだが、問題なくドリフトが出来る仕様だ。
ブレーキは前後共に32タイプMの純正品を流用。キャリパー自体の容量アップによるストッピングパワーの増大と、インドラ化によるサイドブレーキの効き向上を実現している。
リヤウイングはS13前期のロータイプにも見えるが、実はR32スカイラインタイプM用だったりする。違和感の一切無い仕上がりながら、個性を演出しているパートだ。
室内を見ると、ダッシュボードなどは年式を全く感じさせないとても美しい仕上がり。助手席前にマウントされているメーターはデフィ製の油温、水温、ブースト計。ノスタルジックな雰囲気を放つシートはレカロの当時物SR-1だ。
フロントウインドウには、装着されているパーツメーカーのステッカーに加えてV-OPTのURLステッカーも貼り込む。これはD1GPの前身である”プロドリ”やD1GP初期参戦車両のトレードマーク的なアイテムで、このマシンのコンセプトがよく伝わってくる部分と言える。
弱冠21歳(取材時)のオーナーが作り上げた当時仕様のワンビアは、さながらタイムスリップしてきたかのような完成度の高さを誇っていた。
PHOTO:土屋勇人(Hayato TSUCHIYA)