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90年代のGTマシンの要素を取り入れたストリートスタイル!
マシン制作はガレージGフォースが担当
オーナーはストリートゼロヨン全盛期に、シーケンシャルミッションを搭載したフルチューン180SXで暴れ回っていたという生粋の走り屋。一時、休止していたものの「チューニングカーにまた乗りたい!」と、小学生の時から好きで憧れていたJZA80スープラを8年ほど前に購入した。
以降は、オールマイティに楽しめる仕様を目指してコツコツとチューニングを重ね、時流に合わせてグリップ派に転向。日光サーキットや筑波サーキット(コース1000)などを月イチのペースで走っているそうだ。
外装は大好きな90年代のJGTCマシンのテイストを取り入れながら構築。フロントバンパーはアブフラッグのVer.Mure(ミューレ)でサイドステップは純正、リヤバンパーにはパラシュート効果の低減を狙ったベンチレーションを設けている。
ヘッドライトは、純正から型を取ってFRPで成型したオリジナル仕様。「ダクトなどを追加すればもっとクーリング効果が上がると思いますが、この状態でも夏場は明らかに水温や油温が上がりにくくなりました」と、効果は抜群のようだ。
GTウイングは定番の3Dラウンド形状ではなく、往年の2Dストレート形状をあえてチョイス。斜めカチ上げのマフラーを含め、リヤフォルムは90年代のストリートチューンドそのものである。
エンジンメイクは、180SX時代からお世話になっているという名将“ガレージGフォース”が担当。HKSの3.4Lキャパシティアップグレードキットを軸に構築された2JZ改は、GTIIIタービンにブースト1.7キロをかけて推定650psを発揮するハイスペックだ。
ヘッドカバーに描かれた竜のエアブラシアートは、地元の先輩による力作。給油口カバーにも富士山が描かれており、「和のテイストでお願いしたんです!」とのこと。
ホイールはボルクレーシングZE40で、タイヤには街乗り用のアドバンネオバAD08R(F235/40-18 R265/35-18)をセット。サーキット走行時には同サイズの アドバンA052に組み替えるそうだ。「本当は295幅とか履いてみたいんですけど、このフェンダーだとこれが限界なんですよね」とオーナー。
コクピット周りはシンプルかつモダンな仕上がりを見せる。純正メーターは燃料計を残して全て塞ぎ、代わりにデフィのスポーツディスプレイFで集中管理。シートはレカロのRS-Gで、ステアリングハンドルはモモの330φを愛用している。
「軽量化はドレスアップだと思う」との考えのもと、リヤセクションは内装を撤去してドンガラに。右側にはバッテリーを、左側にはコレクタータンクが配備され、ホースや配線の取り回しも美しくまとめられている。
「腕はもちろん向上させたいんですが、シーケンシャルミッションにしたいし足回りもアームを追加したい…。やりたいことが沢山ありますね」。明確な理想があるほど、クルマ作りというものは終わらない。オーナーの走り屋ストーリーはまだまだ続いていきそうだ。
PHOTO&TEXT:Daisuke YAMAMOTO