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リヤホイールのサイズは驚異の12Jマイナス62!
ロータリー2台体制のマニアが作り上げたドシャコタン仕様
スタイリッシュでありながらも、ただならぬオーラを放つFD3Sの登場だ。オーナーはFD3Sを2台所有していて、サーキットとストリートで乗り分けているというから恐れ入る。ちなみ、今回取材させてもらったのはストリート用“お買い物仕様”とのこと。
前後のフェンダーはロケットバニーのキットを採用。超ワイド化されたフェンダーに収められているのは、アメリカのSevenK Wheelsからリリースされている鍛造のNIKA-Sで、サイズはフロントが10.5Jマイナス18、リヤが12Jのマイナス62という驚異的なサイズだ。
フェンダーの形状的にトレッドパターンもドレスアップ要素の一つと考えるオーナーは、タイヤも安価な製品ではなくトーヨーのR888Rをセットするという徹底ぶり。
ホイールから覗く大型のブレーキはブレンボのF50キャリパー&2ピーススリットローターの組み合わせ。隅々まで抜かりなく仕上げられているのだ。
あくまで実用性も兼ね備えたシャコタンとして仕立てられているため、サスペンションは車高調ではなくエアフォースのシステムを用いてエアサス化を敢行。リヤのラゲッジスペースにはエアサス用のコンプレッサーやカスタムオーディオが組み込まれる。
インテリアもシンプルかつ美しい仕上がり。樹脂パネルはボディ同色のレクサス純正「ソニックチタニウム」でペイントされ、レナウンのステアリングやシフトブーツ類はタンレザーでの張り替えが行われている。
シートはレカロSR-7ベースのスペシャル。表皮の張り替えやシートベルトホールの塗装を行って高級感を演出。社外品ではあるが、まるでそれを感じさせないクオリティは見事としか言いようがない。
ただ闇雲にパーツを装着していくのではなく、FD3S本来の美しさを尊重した絶妙なバランス感覚。目指す方向はどうであっても、他のクルマとは違う、自分だけの1台を作り上げる。そんなチューニングの基本ともいえる明確な意思を、このFD3Sから感じずにはいられない。
PHOTO:市 健治(Kenji ICHI)