「180km/hを超えろ!」スピードリミッター解除の今

真の実力を楽しみたいならスピードリミッターを解除せよ!

主要スポーツモデルならほぼ問題なく解除可能

ご存知の通り、日本車(小型/普通自動車)には自動車メーカー間での協定による自主規制で、最高速度を180km/hに抑える「スピードリミッター」が標準装着されている。つまり、普通のファミリーカーでも570psをマークするR35GT-Rでもノーマル同士なら最高速はイコールで、どんなに高性能なスポーツモデルを手に入れても、そのポテンシャルをフルに発揮させることは出来ないのだ。

ちなみに、メーカーによる自主規制と言えばエンジンパワーの280ps規制もあったが、こちらは2004年に撤廃。同じタイミングでスピードリミッターも撤廃になるかと予想されていたが、残念ながら180km/hリミッターは現在も存在している。

さて、そのスピードリミッターを解除したい場合、考えられる方法は2つ。1つ目はチューニングショップなどでECUの書き換えを行なってリミッターを解除する方法で、もう1つがHKSやブリッツなどのチューニングパーツメーカーが発売している後付けのユニットを装着する方法だ。

ECU書き換えは、車両のメインECUに何らかの方法でアクセスして内部プログラムを変更していく行為を指す。

もう少し詳しく説明すると、ECUの書き換えはリミッター機能を削除するのではなく、設定速度を500km/hや600km/hなど、車両の限界を遥かに超える値に変更する。一方の後付けタイプは、ECUに入力される車速信号を改竄することでスピードリミッターを作動させないようにするのだ。

どちらの方法でも問題なくスピードリミッターの解除はできるが、正攻法は「ECU書き換えが可能な車種ならECU書き換え、ECU書き換えが確立していない車種は後付けユニットを使う」という考えが一般的だ。

なお、ECU書き換えと後付けユニットの対応車種を合わせれば、スピードリミッターが解除できないのは一部のハイブリッドカーや対応待ちの最新モデルのみ。スポーツ系モデルの大半は、スピードリミッター解除が可能だと思っていいだろう。

後付けユニットタイプはECUへのハーネスへの割り込み加工などが必要になる。ただし、各メーカーともにユニットの小型化が進んでおり、ECUボックスの中に格納できたりする場合も多い。

気になるコストに関しては、車種によって大きく変わってくるが、ECU書き換えの場合はリミッターカットに加えて各種チューニングデータの変更も含めて5万円から20万円程度。

後付けユニットは最も手軽な車種で1万円程度、トヨタ系や車種別専用ハーネスなどが含まれているタイプで8万円前後、レクサスIS F用などの特殊なタイプで15万円前後となっている。

NSXのスピードリミッターは、ナビモニターを操作するだけで解除することが可能。ECU書き換えなどは一切不要だ。

一方、車検に関しては冒頭でも述べたようにスピードリミッターはあくまで自主規制に過ぎないため、解除しても全く問題ない。実際問題、R35GT-RやレクサスのFモデルなどは、GPSと連動して特定のエリア(クローズドコース)でのみリミッターを解除できるサーキットモードをデフォルトで備えている。サーキット等で愛車の性能を思う存分発揮させるのは、オーナーの自由なのである。

国産主要スポーツカー リミッター解除可能車種リスト

※推定最高速はノーマル車両のリミッターのみ解除した場合を想定した計算値で、実測値ではありません。
※このリストは後付けユニットによるリミッター解除を想定しているため、これ以外にもECU書き替えなどでカット可能な車種は多数存在します。

海外のスピードリミッター事情

250km/hが大多数だがスーパースポーツは無制限も多い

外車にはスピードリミッターが存在しないと思っている人も多いが、じつはヨーロッパ車を中心にメーカー間の紳士協定によって250km/hで設定されている車両が多いのだ。

この数値は紳士協定が結ばれた1987年当時のタイヤ事情が大きな理由とされており、最近ではヨーロッパだと最高速度が250km/hを超える車両は保険料が高くなるケースもあるそう。

しかし、これはあくまで自主規制。ポルシェやフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパースポーツには一切設定されておらず、メルセデスやアウディの一部車種では、エンジン出力のアップと同時にリミッター速度を270km/hや300km/hに変更できるメーカーオプションが用意されていたりする。

リーフやテスラなどEVカーのリミッターは?

今やどんどん勢力を増しているEVカー。結論から先に言ってしまうと、日産の現行型リーフはメーター読み155km/h付近でスピードリミッターが介入し、テスラのメイン車種であるモデルSは、搭載されているバッテリー容量によって190km/hから235km/hまでいくつか設定があるようだ。

スピードリミッター解除については先代リーフはニスモなどからECUチューニングメニューが用意されているが、現行モデルはまだ不可能な模様。テスラの方もメーカーのサーバーと通信している関係もあって、現時点では難しい。

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